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理恵の部屋


[132] 大輪の花を咲かせて
詩人:理恵 [投票][編集]



気がついたら蕾ができていた。
ぼくは知らない、それがまだ種だった頃のこと。


って言ったら、近所のじいちゃんが
そりゃあ種じゃないさと笑ってた。


じゃあなんなのさとぶっきらぼうに返したら
そりゃあ球根さと笑うじいちゃん。


そうかそうか、もの知りでいいな。


次の日見たら、その蕾は
ちょっと色濃くなっていた。


なんて言ったなら
またじいちゃんはがははと言って
気のせいだと笑うだろう。


またまた次の日見たてみたら、
先っちょがほんの少し赤い気がした。


気のせいか?
ほんとうか?


もうぼくにはわからない
けど、その花は
確実に開くだろう?


って言ったら、近所のじいちゃんが
そりゃあそうさと笑ってた。


そんな濃厚な緑で顔赤らめる
そいつのその先も、ぼくは知らない。


けどもしも明日見たら、
また違うそれが見れるだろう?





2019.11.25.

2020/05/05 (Tue)

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