詩人:理恵 | [投票][編集] |
気がついたら蕾ができていた。
ぼくは知らない、それがまだ種だった頃のこと。
って言ったら、近所のじいちゃんが
そりゃあ種じゃないさと笑ってた。
じゃあなんなのさとぶっきらぼうに返したら
そりゃあ球根さと笑うじいちゃん。
そうかそうか、もの知りでいいな。
次の日見たら、その蕾は
ちょっと色濃くなっていた。
なんて言ったなら
またじいちゃんはがははと言って
気のせいだと笑うだろう。
またまた次の日見たてみたら、
先っちょがほんの少し赤い気がした。
気のせいか?
ほんとうか?
もうぼくにはわからない
けど、その花は
確実に開くだろう?
って言ったら、近所のじいちゃんが
そりゃあそうさと笑ってた。
そんな濃厚な緑で顔赤らめる
そいつのその先も、ぼくは知らない。
けどもしも明日見たら、
また違うそれが見れるだろう?
2019.11.25.