詩人:理恵 | [投票][得票][編集] |
青い蝶々がひらり、ひら。
木の根元を行ったり来たり。
甘い甘い蜜があるのか、
それとも違う何かがあるのか。
私にはわからない。
だけど蝶々は知っている。
離れてもまた、くっついて。
くっついてもまた、離れていって。
まるで秘密のお話してるみたいに。
おっと、蜂とぶつかりかけた!
びっくりした蜂は怪訝そうに
目を背けて通りすぎていく。
それでも蝶々は行ったり来たり。
まだまだ根元の周りをひらり、ひら。
きみのそれを知りたくて
ふっと上を見てみたら
木の葉が風にそよいで
緑の小さな実がぽつり、ぽつ。
この実が赤く熟れたなら
どんな匂いがするんだろ。
どんな花が咲くんだろ。
その花が散ったとき
どんなふうにこの道を彩るだろう。
きっと青い蝶々は知っているから
離れられないんだろう。
まだまだ、木の根元をひらり、ひら。
ねえ、僕にも
きみのそれを教えてよ。
2019.11.25