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花房優希の部屋


[12] 記憶の住人
詩人:花房優希 [投票][編集]

信じることを止めた

貴方を信じることを、放棄してしまったの

だから、私は貴方を忘れるわ

微塵も残さずに、跡形もなく

すべてはあの日の雨に流されたかのように

あの涙とともに、ひとつずつ私の中から零れ落ちていった

部屋に置き去りにされた思い出さえも捨ててしまって

けれど、どうしても消えないものがある

どうしても消せないものがある

私の、心


この目が光を知らなければ

この耳が音を知らなければ

この唇が言葉を知らなければ

この心が愛を知らなければ

貴方を思い出すこともなかったのに




私は未だ 鍵の開けられた檻でひとり動けずにいる

2008/04/26 (Sat)

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