詩人:阿修羅 | [投票][得票][編集] |
挿げ替えられた首が哂う夜
哂う夜
首が挿げ替えられた
取り越し苦労で やつれた目が哂う
他人のふり たにんの ふりで
正確に哂う
どこにも間違いなどない
耳を塞いで繰り返した
わたしじゃない ごめんなさい
たやすく紡いだ言葉に騙されて
人は堕ちてゆく おちてゆく
流れて 流されて
見失ってゆく
壊れてゆく
くずれおちてゆく
忘れてゆく
忘れ去られていく
思考の隅っこ
なのか 路地裏の隅っこなのか
薄汚れて 繋ぎとめられない手
朝が明るいなんて
誰が云ったんだろうか
希望だなんてだれが
誰も入れない箱の中で
揺れている
おびえている
嘆いている
今ここに在ることを
挿げ替えられた首が哂う
きづいても視界を塞いで左手を突き刺す
心は 意思は 思いは
なんにも
なんにも
なんにもない
其処には最初から何もなかった