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フィリップの部屋  〜 投稿順表示 〜


[325] 
詩人:フィリップ [投票][編集]

言葉が愛をつなぐんだよ、って
誰かが教えてくれた気がするから


詩で祝福されて
始まる朝があってもいい

2008/08/20 (Wed)

[326] リバー通りの深夜行
詩人:フィリップ [投票][編集]

夜が更けて
バイトを終えて
しばらくして
国道180号沿いの
すき家を出る
街灯がぼんやりと目にしみる
さっき飲んだウーロン茶が
体から抜け出たような気がした


自宅近くのリバー通りを散歩した
ケータイから流れ出る
音質の悪い音楽が耳をつんざく
それでも何も無いよりはマシだったりして
そのくせ
君の体温を肌に欲しがったりして
なんてな


好きだよ、なんて
頭の中で記憶をリピートしたりして
気がつけば
同じコースを三周していた
四周しようが
五周しようが
好きだよ、なんて言葉は
もう君の声じゃない
この記憶の声は
僕のもの
変質者って
意外にロマンチストなんだな
とか思ったりして
なんてな


街灯の下で
深夜行をやめる

リバー通りの
川のせせらぎが
急に怖くなる
気配を感じて
振り返ったら
やっぱり誰もいなかったりして
それで
安心しきって
家路についたりして
なんてな
なんてな

2008/09/04 (Thu)

[329] マーマレード・レッスン
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朝がきて
出掛けた先はいつも
マーマレードみたいな色をしている


つまずいた先のショーウィンドウで
その時に受け止めた両手の温もりがまだ残っている

君の時間を僕にあずけて
交わす言葉に意味はいらない


朝がきて
起きぬけの風の中で母性を見つける
「風邪をひくから、キスはしないでおこう」
と言ってた

2008/09/11 (Thu)

[330] 知らない人の手をつなぐ
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大桟橋のビューポイントに立っていた女性に声をかけた

「詩集のカバー写真を撮りたいので、五分間だけ彼女になって下さい」

そしたら、彼女は僕の手を握ってくれた

子供が小銭を握り締めるように
彼女は、僕の魂を握り締めた
言葉なんていらない
横浜トリエンナーレの夕焼けが
音もなく過ぎていく

知らない街で、知らない人と手を繋ぐ
どんな劇的な出会いよりも
こっちの方が
何だかキュンとくる気がした

2008/10/05 (Sun)

[331] シーニュ
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美容室のドアをくぐる時
いつも緊張するんだ

つん、と鼻をつくパーマ液のにおいが
どうも、好きにはなれなくて


最終一本前の電車に乗るように
詩を書いてみる
駆け込み乗車みたいに
駆け込んで書くより、フラリ
それくらいが、丁度いい


シーニュ
夜中に声を震わせるから
なんだか急に悲しくなってしまう
やんわりとした光の中に
僕は今日も置いてけぼりだ
月日ばかりが過ぎてゆく
何にも残さないで消えてゆく
例えば
タバコの種類とか
そこのラーメン屋とか

君の中に置き忘れてきた
僕の気持ちだとか

2008/10/25 (Sat)

[332] Snow,Snow
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君の夜が音を立てたので
僕は乗り遅れてしまった

砕け散る六角形

溶けてしまわなければ、ずっと繋がっていられたのに

2008/12/10 (Wed)

[333] スプラーチカ
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知らない街で
地図だけを持って佇んでからは
一人で歩こうとして
結局歩こうとしただけだったりして
あきらめて浮かぶ事にした


世界を掻き鳴らすような音楽が聴きたい
とか何とか言っているミュージシャンの友達がいて
今日になって
彼を凄いと思った
音楽とか歌だとか
そんな簡単なもので言葉はくくれない
空が表情を見せると
何かがどうでもよくなってくる


スプラーチカ
僕らはうみおとされて
どの町に帰って来るのだろう
一篇の詩がすべてを決める
そんな世界なんか見たくなくて
また一人で漂っている


安直な会話をすると
心が腫れる
いつも振り返っているのに
その現象一つ一つが
思い出せない

2008/12/16 (Tue)

[334] 好きになったから、ブルーだ
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四角い封筒の中に閉じ込められた魂が
僕のものだと気付くのには
少し時間がかかった

それは、最近誰かを好きになったからのような気がする


声優の人を好きになった
一度だけ顔を見た事があって
その時は普通に感じていたのに
今では何だか
彼女の魂ごと美しい
それが、好きって事かどうかはわからないけど


心はいつも光と同じ色をしている
その合間に揺れる
ブルーは時折美しくて、悲しい
好きになったから、ブルーだ
だから、ブルーって色が
今は何となく誇らしかったりして

2009/02/08 (Sun)

[335] 飲みにいこうか
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グラスの中でもって
僕は
ぐるぐると掻き交ぜられた
甘酸っぱい酸味も
生き抜く事の辛さすらも
この一杯の中で
全て消えていくから


コーヒーショップで働いていた女性が
隣の席に座ってきた
辞めた理由なんか
どうだっていいんだ
僕が聞きたいのは
どうして隣に座ってきたかだ



言葉はいらない
だから、今日のところは
飲みにこないか
君に乾杯
キューカンバーソーダ

想いも、また今度
だから、今日のところは
飲みにいこうか
君の乾杯
僕のメロンリキュールのグラスに

2009/02/28 (Sat)

[336] please
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からだが
色んなものを求めている

君の体と
心と、その先の
見えない何かでさえ

2009/04/10 (Fri)
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