詩人:フィリップ | [投票][編集] |
透明なワイングラスに言葉を汲みながら
世界も
同じように透き通っているものだと信じる子供に
何が言えようか
大人は無力で無気力である
知識を本能に代えることを忘れ
次へと渡さなければならない見えないバトンを途中で落とし
僕らに
一体何が残っていようか
与えられるものも
与えるものも
何一つわからない世界の中で
誰もがどう生きていいかわからないのだ
夜明け前になると憂鬱になり
夜が更けると活発になるのは
蝙蝠と同じだ
この国に
果たして心は残っていようか
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言葉を探す旅に出て
いつの間にか大人になって
自分の声も
忘れてしまった
覚えたての言葉も
もうない
夜中に点けた古いラヂオから
ふとして
ありふれた言葉が飛び出した
それが何だか新鮮で
夢中になって聴いた
あの頃に似ている
あの頃と同じだ
未知ではない
いつかの言葉が溢れ出て
海になる
冒険の時代は過ぎた
今度は誰かに伝える番だ
僕たちの言葉には
生まれ来るものたちへと伝える何かがある
朝を通じて
まだ見ぬ君は知る
この世界にありふれた
僕たちの言葉を
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手のひらが冷たいねと言って
ぎゅっ、としてくれた
温かい
あの人のぬくもりを思い出した
そういえば
庭先で梅の花を見た
甘い香りが漂って
気が付けば
もうそんな季節なのだと
訳もなく
ウキウキした
心が弾む音がして
私は跳ねる
るらら
春の到来は
いつも、あなたの匂いで予感する
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人のこころを写したものが
あなたの瞳を通して
あなたの中に入ったとき
それは
どんな香りを発するのだろう
言葉を通して
あなたに伝えたものは
記号ではなくて
わたし、じしん
風が花粉を運ぶように
いのちがいのちを紡ぐように
流れる水のような軟らかさと優しさだけが
わたしとあなたの手と手を繋ぐ
生まれ来る世界の為に
また明日、一日分だけ愛を知る者たちの為に
誰かが
何かをささやき
形を変えて
時を越えて
まだ見ぬ他の誰かが言葉の産声を聴いている
そうしていつか
わたしは
あなたのためのうたに生まれ変わる
やがてあるとき
あなたが
誰かのためにそれを口ずさむのかもしれない
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昨日買った現実より
無限に見ていた夢を選ぶ
手放すくらいなら
この身体ごと放ってあげる
ぶっ倒れるまで貫いて
Let,s Lock 歌うよ
もう情熱が止まらない
さあ走り抜けよう
自分にしか出来ないこと 叶えに行こう
振り向かないで
どこまでだっていい
光求めて TRIUMPHAL SONG
邪魔な壁乗り越えるなら
チャンスはもう今しかない
グズグスしてるな
この鼓動が生きてるうちに走れ
ぶっ倒れるまで戦って
Every night 叫ぶよ
もう誰にも止められない
さあ旅人になろう
未来までも突っ切って
聴け 魂の歌を
形張った後悔も
計算もいらない
自分を探して TRIUMPHAL SONG
さあ走り抜けよう
自分にしか出来ないこと 叶えに行こう
振り向かないで
どこまでだっていい
無限を見つめて
さあ戦いに行こう
自分だけのステージ 掴みに行こう
決めたらもう
ためらわないで
勝利の為に TRIUMPHAL SONG
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日曜日の朝に
ベッドでこっそり妻を抱きしめる
昨夜にふざけてつけたみたフレグランスの香りと
彼女の体温の絶妙さ
それ自体
また眠くなって
何処かへ落ちていく
詩人:フィリップ | [投票][編集] |
他人の評価で生きるなと言われても
他人に評価されたがって生きてるのは
人間の本質なんだって事をわかってるんだ
他の道を志す事を薦めて
無難に諦めるのが大人だとか言ったって
じゃあ夢ってのは
一体何の為にあるんだよ
プライドが高い事を
決して劣りだなんて思うな
プライドと信念
これなくして、生きていける訳がないんだ
人の見かけを指差して評価するということが
どれだけ浅はかで恥ずかしい事なのか、いい加減考えろよ
点と線の差別をするなよ
歴史の本質も知らないくせに
人の事はよく見えるだなんて、間違ってるんだよ
自分の事がわからないのに
他人の事がわかるわけないだろ
ものごとの本質を見よ
死にたいという者をとがめるよりも、自分が痛みを代わってやるくらいの覚悟を見せろ
理想が高くて現実が見えないんじゃない
現実を受け入れられないんじゃない
幸せになりたくて、みんな必死なんだろうが
自分だけ垣根の中に隠れ込んできたくせに、年齢だけで世間を見てきたなどと思うな、ハゲ
人の痛みがわからないなら
悲しみをとくと見るがいい
自分の事は
自分で決めろ
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グラスに声をいっぱい汲んで
溢れ出したら
それを互いに交換して飲み干してみたい
君のグラスに隠された
幾つもの心の振動を
味わう事が出来るから
甘い事を言おうか
辛口に行こうか
迷いながら
それでも選び取っている
書き留めた台詞のどれもが
無駄な言葉なのかも知れない
詩とは
そういうものだが
そういうものが
詩なのだ
言葉でリズム
オシャレは声で伝えよう
鉛筆の煤で真っ黒になるまで
綴った言葉と文字と記号で
今日も誰かに
恋をするのだ
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すっかり生きていた
夜の帳をくぐり抜けながら
僕らは地べたに寝そべって
まだ見ぬ明日を待ちわびている
ところで
百年前に僕は
この場所で何をしていたのだろう
百年後の僕は
この場所で何をしているのだろう
生まれ変わりを経て
また人間になれたならいい
ここはきっと
思いがけない場所になっているに違いない
いつの日だったか
殺した鹿を食べた気がする
熊野川の透き通る冷たさの水を口に含んで
僕はあの時
確かに人間だったのだろうか
我々は
何処から来て
何処へ行くのか
殺したものの肉を喰らいながら
命を分かち合いながら
そんな事ばかり考えている
今日この頃
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肌寒さを感じる事はいい
まだ朝に成りきれていない夜の残り香が
ツンと鼻をついている
始発とおぼしきロウカル・レッシャの汽笛さえも
ツンと鼓膜を震わせて
まだ薄暗いのに
国道はよく車が走ると思った
駅前のセブンイレブンが
早朝部活に挑む高校生が
朝の輝きを
他の何者よりも早くに放っている
僕たちが眠っている間に
世界は起きていた
それから
バトンタッチで
人の息吹が
世界を眠りにつかせるのだ
肌寒さを感じる事はいい
見知らぬ子供の起き抜けた声さえも
ツンと心を震わせて