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フィリップの部屋


[182] 背伸びする、シャガール
詩人:フィリップ [投票][編集]

かみさまは両手に
愛と哀を乗せた

目に見えぬ天秤にかけて
結局どちらも同じくらい
重たかった


ダイニングキッチンの
灯りが溢れる窓際に
大金はたいて買った
シャガールの絵を飾った

それが幾らの価値か
どれほどの物なのか
僕は知らない
作品名さえも


形のある全てのものを
僕は空っぽの部屋に
取り入れたかった

だけど
価値も意味合いも知らない僕が部屋を飾っても
彼等はその輝きを
消すのではないかと思い
諦めた


飾られていたシャガールは、ちょっとだけ背伸びしていた

2007/05/21 (Mon)

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