詩人:是清。 | [投票][編集] |
橋を渡って
道を選んで
夜になって
手を繋ぐころ
せいしつをおしえてください。
ぼくのせいわたしのせい。
俯いて
傾いて
夜をわらって
共に伏すころ
せいべつをおしえてください。
ぼくのせいわたしのせい。
頭が痺れた。
名前を呼んで、
声は震えて、
指先はあなたを辿ろうと自分勝手。
あなたのせい。
おしえてください。
ぼくの性あなたのせい。
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僕の船は今凡庸な波に揺られています
普通の暮らしがあるのです
喜びを表し此の場所に祝福を
残酷に僕を揺さぶっていた波は今僕の中にたゆたっています
全部飲み込む口があることに漸く気付いたのです
僕の中で卑屈にぎらついていた感情、すべては
温かい溶液に溶かされ融かされ僕の体を巡り
何処にあるか判別出来ない肉にいつしか成っていました
不完全さ、揺らぐ不完全さに安心したのです
僕の船は未だ洋洋とした広い海に寝かされ
時に揺す振られ時に安らぎ
時に振り落とされ時に昇り
下っては昇っています
僕の船は未だ安心出来ぬ船、
心地好い暮らし、普通の暮らしと
戦いの毎日を併設する浮上する船。
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寒い
寒いなら呑め
呑めぬ
呑めぬなら唄え
唄えぬ
唄えぬなら語れ
語れぬ
語れぬなら黙せ
黙せぬ
黙せぬなら咽喉を捌けどれ程の恍惚かあの白い雪赤い牡丹
赤い牡丹。
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踠く鳩
鳴く猫
蹲る蛇
はしゃぎたい年頃の
娘たちが通り過ぎる
待つ振りの
空に騙された
また
逆立ちする蜂
意地悪な幸
鼓膜打つ羽音
感情を乱された
騒音に震える咽喉
不確かな足元に安寧の幻想をみる
また
尾鰭の付いた
癖になった
怠惰なあゆみに危機感を持てない
乾いている積りも無い
解せない
足を止めず唯走るには如何
如何したら走り往けるか。
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愛の歩み寄りだ何て弱虫なふたり
1ミリも近寄らない距離
戸惑って引き裂いて公開して終わるより
冤罪だって折角頂けた罪
鞭振るったあなたと手を繋ぐ表裏
怖いね
三天涯の美しさに痰を吐いて以来
感じることの無かった廃情 今
さよならさらばして 好い具合にもう一度逃げて変わりたい我侭
変換されぬ二区間の恋
もう一度挑戦する楔状
打つ
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温情を抱え上げて不安定な梯子の上で
泣く
か細い吃音で唄うオルゴオル
予想外の冷たさで睨む窓
目蓋を閉じて微笑するドア
腐った蝶番。
不機嫌な顔で蹲る猫
努力をしない廃れたテレビジヨン
意味の軽い重い冊子が散乱して床は氾濫
解けそうな繋がり。
其れは今君が倒したコツプ
あれはさっき君が汚した床
是は明日君が乗せられる皿。
音声を抱え上げて不安定な明日の前で
泣く。
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屁理屈を捏ねるあなたと然様ならした土曜日
御空は厭味なほどの青、拒絶されている心持
いい加減眺め飽きた単調な筈の空に
長い間囚われていた事にやっと今気付いた
オキシドール
消毒して清めてくれ
もう何回も廻った心中の十字路に
炉に入れられない固いこころ
いい加減にしたい
もうはぐれるのはごめんと
寒々しい色 湛えて今生の真理とルールに当たる
相当に歪んだ管と 卑下して哀しい道を渡る午後
おんなの失踪が感じ得る 茨道
踊らされて草臥れて擦り切れた咽喉
オキシドール
漂白して諌めてくれ
いつか寂しさに攫った禁中の里心に
理解し得ない曲った感情
いい加減にしたい
膝抱える強すぎるこころと
熱源探知に役立たぬ人馴れの無い言動と
鰯雲に占領されたコック・ピット
幼い女
今一度逢瀬の手段をと考えられぬ弱気なこころ
駄目になってしまった最低限の育成目標 弱いこころ
頑丈な精神に寄り付く甘さは無いわ
歪に傾いた心と 蔑み虚のほとり走る午後
発狂した太陽に似た色の声 爛れそうな甘味を感じて
臓腑が焼け焦げそうに嫌悪する、割れそうな夜の℃と。
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残忍な鷹、魅せられた頤
咥えられて、噛み砕かれた骨と理性、自制
知らない儘で
其の儘で
良い。
下手に正体を明かしてしまったら半径三メートル恐がって誰も近づきやしない大嘘を吐いて地面に這い蹲って其れでも人恋しいから懇願するねえ傍に居てよ居てよ居ろよお前の存在だけ
重い思い
喰らい暗い
死んでしまった細胞の全て。
街歩く大嘘吐き道を行く嘘吐き
揺ぎ無い足場なんて無い只一歩を踏み出したいが為に縋るのさ祈るのさ汚い嘘土色の昨日ごめんねやさしいひとじゃなくてごめんね酷いことを口にしたごめんね赦せないなら捨てる?いや、引き摺っても
ごめんねやさしいひとじゃなくてごめんね酷いことを口にしたごめんね手放せない、
手放せない。
お前の存在、存在、存在、俺の在処
其れだけが確証のある陽炎でないこと
存在、存在、存在
阿呆みたいに繰り返して果てるのさ
揺らめく、魅せられた季節の鷹、
薄く透けた羽に、息を止める為のナイフ抱いて飛んでくれ。
落ちる蜻蛉!
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もしも昨日が僕を嫌って
明日に投げ出すような真似をしたら
嘘に塗れた昨日をいっそ捨てよう
三千世界何処を探しても
君しか居ない
君の姿形の造形しか有り得ない
世界でメッキの剥がれた銃で
いい加減な太陽に乱射したい
僕は産れた儘のすがた
今期大流行の天然ファーのコート
身に纏って同じ姿の君を探している
刹那見失って現れた君は
無機質な皮膚で僕の眼を撹乱させてる
擬態の嘘
皮膚の裏
瞳の奥に視得る
視得る
嗚呼餌付かぬ狂犬!
ダミーに任されぬ任務行為に騙されぬ勤務相当上等な革を着込んでも誤魔化せない隠せない嗚呼狂犬の到来
擬態の嘘
皮膚の裏
言葉の奥に潜む
潜む
嗚呼寝付けぬ狂犬!
シャンデリア、太陽光が健康的に僕達の、
猥褻な眠りを邪魔している、観ている…嗚呼、