詩人:清彦 | [投票][編集] |
あるべき姿に戻るべきなんだ
こんな紙切れに呪われるくらいなら
過ぎた力は上手く扱えないで
当たり前なんだ
皆が皆 賢いわけがない
おお あの いつかの
化けの皮剥がされたペテン師が
黙ったまま空を見てる
生きるとは何だ
宇宙に託した 人類の夢
幻とは裏腹に理想は廃れた
優しさは本当は怖さを秘める
痛みを伴う覚悟はあるか?
弱肉強食の原理に沿って
この星が回っている
太陽に問いかける
生きるとは何だ
時間など惜しまずに
笑っていられたら
人類は滅ぶだろう
堕落と惰性の雪崩に飲まれて
故に繁栄とは痛みを伴う
幸福は幾千もの犠牲の上にある
そして誰もが皆 必要なわけではない
明日俺が死んだとして
はたして何人が泣く
おお あの いつかの
化けの皮剥がされたペテン師が
絶望の顔で空を見てる
あるべき姿に戻れるはずなんだ
そうだ 俺のことか
黙ったまま空を眺めてる
問いかけている
生きるとは何だ
詩人:清彦 | [投票][編集] |
オシャレが好きだなんてさ
高い服に憧れてる君を見て僕は
みっともない、なんて言ったんだろうね
とっくに黒い夜に飲み込まれたよ
あの時の幸せな気持ちなんか
どんなに苦しんだとしたって
僕は僕をやめるわけには
いかなかったんだ
走馬灯
嘘、虚構、幻
そうかつまり‥‥
やられたってわけだ
嫌な予感ってのは知ってても
信じたくないものだね
わかってて傷ついたんだきっと
これは罰なんだ
だって、ちゃんと7つ揃ってるよ
おかしくて仕方ない
神様は関係ないはずなのに
こんな時に限って僕は
皮肉の為に無駄に時間を費やす
バカけてるよ
君も僕もこの空も言葉も
軽々しい気持ちなんてのは
雲の如く実態は全く無くて
せめて雨みたいに
落ちて流れて消え去ってくれれば
誰も傷なんか残さずに
青空みたいに綺麗さっぱり
明日を歩いていけたというのに
詩人:清彦 | [投票][編集] |
憧れたのはあの太陽の花
美しすぎて笑えてくるんだ
どうして風は吹くのかな
こんな時に限って揺れる姿が
僕にはさよならしてるように
見えたんだよ
あの制服姿のわんぱく娘は
走馬灯なんだって、笑わせてくれる
もっともっと恐ろしいね
だってあの人と僕には
愛してるしか無かったんだ
愛してる以外は何も無かったんだよ
流れる血は温かいんだね
命の証だから、知っていたさ
全て終わらせてくれる方が
きっともしかしたら
楽だったのかもしれない
思い返して"幸せだった"なんて
決して言えない
そんな軽い言葉じゃ終われないよ
さっきまでは青空だったはずの空
いつの間にか夜の影に飲まれて
咲いていたのは勿忘草
いつまでも、愛してます
だって運命なんでしょ?
幸せなんて望まないさ
貴女が傍にいてくれるなら
そこが地獄だって構わないんだよ
詩人:清彦 | [投票][編集] |
探していては見つからないだろう
そう、お前が焦れば焦るほどに
この切符は自由への手掛かりか?
さては、奈落への罠か?
呼び声虚しく、背中を追うだけ
後ろ指なんて刺す程近くもない
囲んでいる人だかりが邪魔だって
さっきから何を言っているんだ?
ここはさあ
だって
ずっと前から
お前ひとりだろう?
鐘が鳴って
またひとつ消えてゆく
その度に仕方ないと惰性を
飲み込んできた
薄れゆく意識の中に僅かに見た
あの場所 あの声は
今や立派にまがい物に覆われた
そうだ、ようやく
この場所を抜け出すんだ
孤独や不安や憤りの闇で
ひっそりと漂って
幸せや満たされることなんか
初めから望んでいなかった
ぬかるみへ沈んでゆけ
そしたら今度
再び、
鐘が鳴ったときは
お前は
詩人:清彦 | [投票][編集] |
四苦八苦
ちゃんと、未だに、生きてますか?
僕は僕という存在を問うて
濁流に飲まれる事を夢見ていたよ
大食い、傲慢、強欲
だけど
流れる景色だけはちゃんと見ていたんだ
ちっぽけな蛾のように
小さな世界で
不気味な模様を描いていたい
幸せや不幸の識別はしないで
あらゆる色にまみれてみたい
あの頃僕は
自由という幻を問うて
さ迷う囚人と化したよ
怠惰、怠惰、怠惰
だけど
流れる思考をちゃんと見ていたんだ
振り返るとさ、
つまり
もっと昔の話なんだよ
色欲に始まってさ
死ぬほど愛してしまった人
あそこが僕の創造と破壊の原点だ
嫉妬、怒り、憤怒
愛しい程に、苦しんだよね
だけど
流れる情熱をちゃんと感じていたんだ
四苦八苦
ちゃんと、未だに生きてますか?
なんて言いながら
僕は僕を問い続けて
罪と思ってたこと達
見つけた答はなんと
無我、無常、ひいては空
模様を変え続けてヒラヒラ
空しく、美しく、不気味に、鮮やかに
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熱い潮風と太陽の光
夏の眩しさが 思い出させる
どうにかなってしまいそうな心と身体
触れたいから いつも会ったね
涙さえ 痛みさえ 味わっていた
テーブル越し蜃気楼の幻惑
キャンドルライトに揺れてぼやける
飲みかけのジュース
湿るグラスコースター
喉が乾いて仕方ない感覚
覚めない夢の中 のらりくらり
胸が苦しいのは何故?
こんなに近いはずなのに
空は果てなく自由で広いんだね
鳥の真似をして両手を広げた
雲はとぼけるように
形を変えながら
あの遠い海の向こうへ
消えてゆくんだ
遊び呆けた後の夕焼け虚しく
潮風に僅か君の匂い悲しく
どうにかなってしまいそうな心と身体
寂しいから いつも会ったね
涙さえ 痛みさえ 味わっていた
焼けた素肌ヒリリ 痛む度
夏の眩しさが 思い出させる
マリッサ 止めどなく押し寄せる波に
マリッサ 身を任せてしまいたい
会いたいから いつも会ったね
涙さえ 痛みさえ 味わっていた
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書き留めた詩
舞う風 なびく髪
僅かにあの夏の匂い
古びた椅子 机
網戸 洗濯物
時々 車の通り抜ける音
木々 鳥の鳴き声
太陽の日差し
通り行く人々は
みんな旅人
何処へ向かっているの?
仲間 恋人達 家族
それぞれの営み
色とりどりの食事
自由な選択
自由な足取り
愉しげな歌声
揺れる身体 なびく髪
閉じる瞳
一瞬だけ
あの夏
思い出と未来
想像と幻想
曖昧な記憶のせいで
今じゃ美しいね
電車に揺らされて
レールに続く景色
住宅 オフィスビル
カフェ コンビニ 電柱
木々 森 土砂と湖
空調の涼しさと
太陽の暖かみ
昼の空の青さ
雲の自由さ
織り成す調和
思考する
生と死のレールの上で
確かに在る喜びと悲しみ
幾重にも重なった
グラデーション
心と鉄と自然と命の調和
旅人たちの詩
詩人:清彦 | [投票][編集] |
どうして僕らふたりは
ひとつになれなかったんだろう
あんなに愛していたのにね
昔の詩を読み返していたんだ
実はあの頃より
答に近づけたんだよ
星空が素敵だったね
心が美しかったからさ
そして君がいる世界が美しかった
君と触れあうというのは
僕にとっては
ただの生殖本能とは
違っていたんだよ
愛について考えたことはあるかい
あまりにも抽象的で
定義なんてほったらかしだから
僕らは確かめ合うんだよ
お互いの存在価値を
愛という木の下で
もしかしたら僕は
あの頃よりも今
君を愛してるかもしれない
感謝してるんだ
君に
そして君を育んだ全てに
父に、母に、自然に
僕らを隔たっていたのは
やっぱり肉体じゃないね
なんていうか
欲望や憎しみや
快楽や喜びさえ
実は違っていたんだよ
風のように、波のように
時間は全てを拐います
痛みや涙も拭ってくれました
今、恐らく本当に心から
あの頃より深く心から言えるよ
ありがとう
幸せになって下さい
詩人:清彦 | [投票][編集] |
あまり人の視線を気にしないで
自分を着飾ったりしないで
それよりも風の調べを
素肌に受け止めて
味わっていたい
難しい本を読むのをやめにして
コーヒーと葉巻が
海の方から届けてくれる
ボサノバと波の音
ゆったりと歯切れ良いリズム
ほんの少し
切ないメロディ
サングラスの美女に
あしらわれたジョニー
見透かされてるね下心
波打ち際、鼓動も情熱も
全てが自然のまま
今は風になりきっていよう
このまま時間が流れて
夜になればバーベキュー
日本的にビールと焼きそばと
だけどやっぱり葉巻とボサノバも
波の音は地球の鼓動
潮風が素肌を透き通っていく
皆、好きなように過ごせば良い
気付けばジョニーは
隠れて誰かとキスしてる
波打ち際、音楽も愛も
全てが自然のまま
この場所が好きだ
とりあえずしばらくこのまま
風になりきっていよう
詩人:清彦 | [投票][編集] |
私とは単に記憶の集合体であり
私を私たらしめているのは
周囲の私に対する認知であり
それは常に波のように揺れ動き
因果によって現象のごとく
すり替えられてゆくのだから
私とはすなわち現象である
故に無常であり、無我であり
全ては空である