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清彦の部屋


[105] 四苦八苦
詩人:清彦 [投票][編集]

四苦八苦

ちゃんと、未だに、生きてますか?

僕は僕という存在を問うて

濁流に飲まれる事を夢見ていたよ


大食い、傲慢、強欲

だけど

流れる景色だけはちゃんと見ていたんだ


ちっぽけな蛾のように

小さな世界で

不気味な模様を描いていたい

幸せや不幸の識別はしないで

あらゆる色にまみれてみたい


あの頃僕は

自由という幻を問うて

さ迷う囚人と化したよ

怠惰、怠惰、怠惰

だけど

流れる思考をちゃんと見ていたんだ


振り返るとさ、

つまり

もっと昔の話なんだよ

色欲に始まってさ

死ぬほど愛してしまった人

あそこが僕の創造と破壊の原点だ

嫉妬、怒り、憤怒

愛しい程に、苦しんだよね

だけど

流れる情熱をちゃんと感じていたんだ


四苦八苦

ちゃんと、未だに生きてますか?

なんて言いながら

僕は僕を問い続けて

罪と思ってたこと達

見つけた答はなんと

無我、無常、ひいては空

模様を変え続けてヒラヒラ

空しく、美しく、不気味に、鮮やかに






2016/11/19 (Sat)

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