詩人:甘味亭 真朱麻呂 | [投票][編集] |
うなだれた君の瞳に光る涙の粒
かげりを胸に潜めた丸まった背中
言葉にできない想いを
嘘やごまかしでやり過ごすのはもうやめよう
僕がどれだけ
君のこと愛してるかを
証明するものは何もないけど
日々はいつまでもぎこちない僕と君を置き去りにして
ページをめくるようにただ過ぎていくだけ
そして今日も言えずにいる想い
二人抱え切ない気持ちで夜空に浮かぶ月を眺めてる
降りしきる雨の中
心だけがずぶ濡れ
窓から吹き込む夜風は冷たくてひどくひんやりしていた
遠くの方で街明かりりが儚げに揺れた
静かすぎる部屋の中
支配するのは
ただ一つ
愛する人に伝えられないふがいなさとどうすればいいのかわからない焦燥感さ
どうしようもない切なさも
二人の時間は動かずに止まったまま
僕らは共に俯いて
忙しさを言い訳に逃げているだけ
言葉にしたい…
でも
言葉にできない…
胸の中
交錯する想い
僕がどれだけ
君を想っても叶わないならそれは幻
こわさを押し切り
伝えたならば
想像しただけで
胸が締め付けられる思いがする
動かない時間の中で
ただ僕らは置いていかれるのか
遠ざかっていく
過ぎ去っていく
季節を 時間を
ただ見送るかのように
うつろな瞳をして
憧れを 羨ましさを
抱くだけなのか
もどかしいよ
僕も 君も
もどかしいよ。
[前頁] [甘味亭 真朱麻呂の部屋] [次頁]
- 詩人の部屋 -