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甘味亭 真朱麻呂の部屋


[1588] 明暗
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


明るいところ
暗いところ
人生もそれの波で続いている
悲しいことがあれば
嬉しいこともある
人生はそれの繰り返し

光だけを見つめ続けていられはしない
闇が恐くても見つめなくてはいけないときがある

光に目がなれ
闇を見つめ続ければ当然光はまぶしくなる
光、闇、光、闇と交互に見るからどちらにも片寄らずにちょうどいい度合いで見ることができ
悲しみも喜びも感じることができる

だから
光と闇を繰り返し繰り返し感じあう
だからこそ光のまぶしさに目をそらさずに済み
闇の暗さに恐れずにいられるのかもしれない…
そして悲しみがあるからこそ
立ち直れるつよさを持て
また喜びがあるからこそ悲しみに屈せず再び歩き出せるのかもしれない…

明るい光
暗い闇
そんな明暗のある世界で生きてゆく
光から遠のき目をそらさずにいさえすれば
闇から恐れずに逃げ出したりさえしなければ
悲しみに沈み込み
喜びに溺れ死ぬ事はない
そしてもしどちらの世界に片寄ったとしても
その傷みに
その空虚感になれていさえすれば
何も問題などない
何も不自由などないはず

見せかけだけの
正しさと言葉だけの中の明晰さを闇として
それにより得る友好と期待、更には信頼と認可、嘘か真かの励ましを光として
私は明暗の世界を渡り歩く
途中で自分自信にあきれ果て闇に身を投げても
望んだわけでもない名誉と多大な報酬、周りからの期待にほとほとうんざりして自ら光を手放すか

そのどちらかの
終わりをたどるまでの
華やかでいて呆気のない悲しき虚空と絵に描いたような幸せ
虚像のような幸福
いつか自らの手で消し去る幸福でいて退屈な時間
巨万の憂うつ
あきてしまった人生という名の明暗の日々
ただそれを返上するためだけの生涯

2007/10/06 (Sat)

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