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甘味亭 真朱麻呂の部屋


[1658] 今日という場所U
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][得票][編集]


幸せや喜びを見付ける
悲しんだりもする
ひどい時は涙流したり
閉じこもったり

薄紫色の空見ているだけで切なくなる
頬に冷たい風をはこんでくる
五時のチャイムいつになっても変わらないことなく蛍の光

やさしさという場所へ帰るんだ 今日も
おなかが空いたなら
暖かさという場所へ戻るんだ いつも
いつもの別れ道手を振ってさよならしたら もうその頃にはあたりは真っ暗
雨が降っていたならきっと晴れの日より真っ暗
不安さは不思議にない
慣れたようにいつもと同じ道順でそれほどじゃない距離を家路に向かい歩く

見上げれば
星ひとつ輝いて
月も浮かんでる
荷物の重さでしびれた肩
見える灯りはただひとつ豆電球の光だけ
静かに静かにドアを引きそして開ける
ただいまという声は多分小さすぎてリビングにいる家族には聞こえない
聞こえない
聞こえない…
ただ飼い犬が寂しげな瞳で草地になった地面を見てるだけ

背中に背負った錘はいつの頃からか
明日という一日のやる気さえ眩ます
色んなもの抱えすぎた中途半端な僕は
何かをやろうという気さえなくただ日々を流す

明日という場所へ
今日という場所から
そしてまた
今日という場所から
明日という場所へ

日々をただ目で追うように見送りながら
コンベアの単純な作業のように流すんだ

何もかも流すんだ
励ましや愛情や慰めや不安さも
全て残らず流すんだ
何も残らず流すんだ

もう
取り戻せない
過去という場所へ
今日という場所から
後悔というつけが流れてくるのも知らずに
いつまでも
きりもなく流していた。

2007/10/16 (Tue)

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