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甘味亭 真朱麻呂の部屋


[1778] 夢遙か時遠く春来ず
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


季節は止まらずに流れてゆくものです
また新しい季節をつれてはやってくる
そして流れる時間はやがて誰にでも等しい終わりをつれてくる
悲しいことうれしいことあきてしまうくらい幾度くり返して
何度同じような日々を重ねれば夢は手にできるのか
時々自分をだめな奴だとかどうしてこんなに出来の悪い頭で生まれてきたのかと疑問に思い
その疑問を都合のいい当てつけですぐ親や他人(ひと)のせいにする
手をいくら伸ばしても
どれだけ歩いていっても見えてこないし気配も感じない
そんなもどかしいだけのただ悲しくなるような毎日がずっと続き
いつになっても行き着けない場所
つかめない未来(あした)なんか願ったってほしくないさ
それならばいさぎよくもうあきらめて別の妥当な道を探した方がいいに決まってるから

見上げた瞳に映るあの空はどこまでもともなく広く果てしなく
今はまだ自由な方さ
翼を広げようと思えばどこまでだって飛べるほんの少しの決断力さえあればね
旅に出ようと思えばどこまでだって自分のこの足でひとり旅に出られもするんだ

この世界で この世界でいちばん輝くあの夢を追いかけていたいだけ ずっと
追いかけてい続けさえすれば いつまでも輝きの中心でいられると半ば本気であの頃思いこんでた

だけどそんなあやふやで曖昧な気持ちじゃ夢なんか叶うはずもないと
こうなるのはだいたい予想はできたけど
してたけどなんて偉そうなかすかに自慢するようなくだらなく哀れな自信たっぷりの口振りで
話す自分になんだかむなしささえ感じたけれど
もう当然それは過ぎていってしまった遠い過去のことだから後戻りは出来はしない
振り返っても思い馳せてみてもただかわいそうだなあなんて自分を哀れむだけ感傷にひたるだけ

夢も理想も叶わないなら幻 ただの思いこみのままで終わる
その方が悲しいね

2007/11/29 (Thu)

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