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甘味亭 真朱麻呂の部屋


[1857] 退屈な食卓・憂うつな晩酌
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


乳白色のグラスかたむけて甘いミルク紅茶(ティー)を飲んだよ
グラスに砂糖三つ落としてかき混ぜればまた始まる
長い夢から覚めるみたいにそんな具合に目覚めりゃ気づけばあっという間に僕はいつもの景色の中
慌ただしく動きだすだろう
さっきまで静かだった街も止まっていた時も街も動き出すだろう
時計はまた進み出すのだろう
夢見ていたことも気づかずに気づくこともなくただいつも通りの日常に戻っていくのだろうなんの違和感も不可思議さもごたごたもなく眠りから覚めた眠りの街スリーピングタウン
僕が夢見るように
僕が夢見るのと同じに
僕が目覚めるように
僕が目覚めた瞬間に
僕が目覚めると同時に

世界も目を覚ます
その眠りから覚め
世界も回り始める
その重い瞼を開け
その目を覚ますよ
動き出すよ日常が
楽しい夢見ていたことさえも分からないでただよく寝たなと何万年もの眠りを感じさせないように
不思議だけどいくら眠ってても目が覚めれば夢から覚めれば何時間何万年寝ていようとちょっとしか寝ていなかったように感じるのさ
目覚りゃあっという間さ
あっという間で
あっという間に世界は動き変わらない日々がまたぬるま湯の時間の波がゆっくり気持ち悪くなるくらいまた高く低く繰り返すよ
時間の果てまで
時間の終わりまで
猫がキャンと鳴いてもだめなのさ
いつかはすべて終わり
永遠の眠りにつくのさつくというのに僕らはあまりにも楽しみを知りすぎて油断し過ぎているからその重大さと危機迫る気配に気づかずにただ他人の終わりに涙を流しあざ笑いもするというくせなのにそんでそれなのに自分のことになれば騒ぎ立てて自分の番になるのを悲しみながら嘆きながら待つだけ
ああ 待つだけ
この世界この街の生まれたふるさとの時間に乗り 波に乗り
ゆるやかで ときに急にもなる時間の坂を下ったり上ったり

2007/12/16 (Sun)

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