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甘味亭 真朱麻呂の部屋


[1936] 物言わぬ植物D
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


見つめるのはいつでも二度とは返れない日々じゃなく
これから始まっていく新しい日々の方だというように
大切なのは限りある命を悲しむことじゃなく限りある命だからこそ輝いて尊いモノなんだということで数限られた毎日をどうこれから生きていくかということを楽しみながら考えることだと思う。いつも先ばかりを考え終わることばかりを考え絶望に膝を抱え心を痛ませていたり打ちひしがれるのじゃなく大事なのは今日の今この時明日の今この時というように終わりまでは幾度重ねる『今この時』を精いっぱい力の限り目いっぱい名残のないように生きることだとも思う。そしてもしも受け入れることが難しいのならばそれは楽しめない理由があるから
楽しめるようになるためにはきっと自分が楽しめるような何かを探すことから始まるんだから探すことがやはり大事なんだろう
きっとそんなモノだろう人生という中での上手な生き方は…
そしてそういう生き方ができてる人こそがうまい人生を生きている人だとも思うんだ。

限りある人生は思いこんでいることよりもずっとずっと素晴らしいことだと
尊く美しいモノなんだと物言わぬ植物は僕にその命をもって教えてくれたんだとも考える。僕はそう自分なりに思うから物言わぬ植物の下のベンチの木陰で読書をしたらなんかやさしい気持ちになれるんじゃないかそしてまた何かを気づかせてくれるかなといつでもあのやさしいささやきを待っている
さわさわと揺れる
木に素晴らしい教えを待つように風に僕はたずねる
まだかなあとまだなのかなあと…
物言わぬ植物なんだという概念もなく疑うことなどせずに
心だけは物言わぬカエデと同じようにいつまでも純粋な子供のままで僕はささやきを繰り返す
ささやくんだ
何度も何度も
ささやくんだ
何度も何度も

2007/12/25 (Tue)

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