ホーム > 詩人の部屋 > 甘味亭 真朱麻呂の部屋 > ホンモノの夢

甘味亭 真朱麻呂の部屋


[2005] ホンモノの夢
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


時に人は嘘をつき
同じ人である誰かを傷つけて それでも平気ではいられるわけもないからそのままじゃいられない
でも嘘を打ち明けられずに立ち止まってしまうんだ
それが重ければ思い嘘であればあるほど自分の心に深い傷をつけてしまうの

けれど本当のことはいつだっていつでも胸の中にある
だから誰かを傷つけてしまったときにはどうしようもないほどの罪悪感にさいなまれ心とらわれ悲しくなるんだ 自分が悪いのに自分をせめることでの痛みに耐えられなくて甘やかしてしまう

だけれど人には人を愛したり励ましたり手をつなぎあったりする
温かい横顔があるということも忘れないで
誰の中にもあるのさ
それはどうして嘘に変わり
それならばなぜ人は人を傷つけてしまう? 平気な顔で笑う奴がいる?
開き直ったように自分は悪くないと最初から最後まで言い続け自分だけが助かりたいと自分を守る奴がいるのとつぶやいてみればきりがない
罪を罪とわからせるために罰はあるというのになぜ人は欲望に勝てず思いのまま行動してしまうの

もしも負けそうなときに待てよと心を動かせるなら
悪い自分を引き止めて
良い自分を受け止めて
悪い自分と良い自分の感情がぶつかり合ったときになにがその先で待つ この結末はどうなるのかな

叶える気もない夢をみればみた数だけせつなさはこの胸を埋めつくし
「こうしたいああしたい」そんな理想をどこか彼方へ遠ざける いつか僕が正しさだけを信じていられた汚れなどなく真っ白なままの僕でいられた頃からどれだけの歳をとり 時を重ねても何ひとつ正しさの形は変わってないのにね どうしてこんなにも悪さを繰り返す 卑しさやがめつさずる賢さにばかり頭をつかい夢ばかり語る僕がみる夢になんて何ひとつ本当の事などなく輝きなどないうつろな明日をみるあのときにみた夢は今となれば面影すらない偽物の夢

2008/01/12 (Sat)

前頁] [甘味亭 真朱麻呂の部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -