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甘味亭 真朱麻呂の部屋


[2122] 奏で合う日々
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]

いろんな色をした音符が街にあふれて
それぞれがそれぞれにすてきに奏でながら
それぞれがそれぞれの毎日に色をつけ
モノクロの日々を色とりどりに塗り鮮やかなその色彩で
楽しいよって歌をうたうようにくだらないことで苦しむことなどないようにいられる日を 心に降り続く雨がやむのを待つように空の下せっせとはたらきアリたちは動き回り餌を家に持ち帰る また今日も時おり無性に悲しくなって立ち止まり大切な何かを見失うから
こんなにもちっぽけな命
ここにいることが不思議でよそ見していたらすぐ落としてしまう生きてる証
すぐまた慌てて元きた場所にかえって拾い上げてまたせっせと歩き出す

そんな不確かな毎日を生きているせいか僕らは生きてることさえ疑うようになった
とはいえ確かめるすべさえなく僕らは何度も何度でもいくつもの証や今日を生きる元気さえも落っことしそうになった
その途中今日を生きる元気だけあればなんとかいいやなんて生きる目的(いみ)を見ることをやめてしまいそうになった
目標をなくしてしまえばどうなるかは予想の中なのに
だけど いつでも
僕らは奏で合う生き物で またそう言いつつも投げ出してさまいたかった荷物を気づけば今でも背負っている 叶わなかった夢だとうらむこともなく 今ではいい経験だったと晴れ晴れとした青空みたいなどこまでもすんだ曇りひとつない気持ちで生きていられるさ これも僕の脳天気さがなせる技か
そんな毎日に慣れてしまえば別にどうってことはないのさ
それならそれでもかまわないただそれなりの毎日の中でそんな未来なりのいちばん光る輝きを手にすれば良いだけさ
当たり前だと思いこんでゆくことや歳老いることも本当はいやなんだとグチるけれど仕方ない それがこの世の常なんだからという言葉で片付ける自分のあまりの不甲斐なさに溜息も出やしない 奏で合う日々 自分と自分で愛し合う日々。

2008/02/06 (Wed)

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