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甘味亭 真朱麻呂の部屋


[2386] 僕という物語の裏表紙
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]

誰より 何よりも
差し置いて愛すはずだったキミ
誰より 何よりも
愛したかったはずのそのキミなのに

今はいない…

大人になったら 少しずつ何かが
変わってきたんだ それは見えない
僕の内側(なか)での変化 だから見えないよ

些細で小さな変化だから 無理もないよね

変わりゆく何かがあるように
自分じゃ止められないどうしようもない
ものがあるように
僕には君の消滅が長いはるかな時から僕への罰かな
それが変わりゆく運命だったのかな
なんて今では思えます

後から後から雨音がついてくる
まるで不安みたいに
粘っこくしつこく
僕の胸を埋め尽くす

羽ばたいてゆく蝶はまるで 終わりを告げる今まで覆い隠していた終焉の時刻のカウントダウンを見せつける

また逢いたくって また逢いたくなって
また会いに来てと
言われたくて そんな人になりたくて

悲しき崩墜の涙…

もう遅いってのに

男が流していい
涙は一生のうちに
れくらいなんだ
そんなこといい
くだらないんだよ
悲しいから泣くのに
なんの遠慮やためらいがあるんだ ああ
悲しみの形なんて裏を返せば決まりなんてないし様々さ

すべてを常識やルールで埋め合わせ決めつけている世界は
いずれ消え失せるのだから僕にはもう終われば何もかも関係なくなる 人間という事実は断ち切られるから

その日をただ待つだけ 僕が永遠に僕であるように でなければならぬように 答も出ないように 連鎖されるのは致し方ない けれど終わりが見えない現実

ただ繰り返し繰り返し終わりがあることさえ忘れるくらい忙しく忙しく過ぎて行く毎日だから
ふと気づくと当たり前なのにだまされてたりして 唖然とした後で僕は君の僕である資格をなくしたあの日 だから今の人間である資格もなくす日を心待ちにする。

2008/03/28 (Fri)

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