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甘味亭 真朱麻呂の部屋


[2418] 幸福という名の風景
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][得票][編集]

あなたの声が聞こえた気がした
それはまるで広い草原に吹くそよ風のように
広大な大地をわたってきた年老いた風のように吹いてた
風も花もすべて形のないものにも命があるから 終わりもある 笑われても語りたい想いがあるのさ

遠く遠く広がる空は
どこまでも流れゆく雲をその身に寄り添わせて 今日も色を変えるのさ
雨も雪も生きているから 息もするのさ

聞こえないはずの声が
あの時聞こえたのは
それは奇跡なんかじゃないけれど
常識なんか通用しない出来事があるのがそれほど不満ですか?

人はこの長い人生という長きにわたる道を歩き続けるいわば旅人で
いつでもその笑顔をこさえられはしないから
涙も見せる日も
まともに立っていられないくらいふるえる時もあるのです
心は今 夜もしのぐほどの暗闇の色

今もまだどこかで
君の声を聞いている人がいるかな
だとしたら不思議がらずに耳をかたむけてほしい ほんのちょっとでもかまわないから その風のような小さくも透き通った命の声に 命の音に耳をかたむけてほしいんだ

鼓動する 脈打つ命の音が他人にもボリューム高くしたらきこえるかな でもそんな不思議なことは出来ない
当然で思いこむからすべてなにもかもが当然になる それで終わる

だからそうなる前に素直な心 さらけ出して認める気持ちも大切さと 君は教えてくれた
誰かを愛する喜び
また
誰かに愛される喜び
教えてくれたのも君
様々な君の声にふれなければ知らなかった秘密があの日明かされたんだ

振動するように カタカタふるえ出す
地球が君の居場所を伝えているけれど
半ばためらうようにその声を奮わせて

涙を流すから 雨は降り
大地を濡らす 川がそこに出来
海となり 今が出来たように 僕は生きていてそんな素敵な当然がいつも心に温かい幸せを映す。

2008/04/13 (Sun)

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