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甘味亭 真朱麻呂の部屋


[2423] 心弱き者と敗者の栄冠
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


幸せが目に見えないのならばいったい何故なの?
いつでもそこにいるのに君は気づかないままで
近くにあるものほど気づきづらいものはなくて
それは近ければ近いほどに全てを遠ざけて行く
視界を曇らすのは都会のくすんだ臭いと期待はずれの夢だけ 置いてきた思い出が痛い

この胸に蔦が巻くようにはびこるのは正しさを偽る嘘
永遠の距離を飛び越える強さ
僕じゃ出来ないのかなかなと涙を拭う仕草に気付いてくれる人は今や幻の人
次々にやって来ては去り行く
時の背中を見つめていた 今日もまた

排煙を吸って
ラッシュをすり抜けて
交差点を行き交う車を眺め 飽きもせず
跨るように
世界の裏社会を見たい
いつの頃からか他人のためだとか考えなくなり 他人の痛みさえわからず大事な感覚鈍るから 僕はこんなにもあくどいやつになっても周りが同じようなやつらだから気づかない

砂埃舞う砂漠のように枯れ果てた世界
宇宙の広さも子供だましに思えるような
無限に辿り着けない幾重にも施錠された
出口のない海の底のような暗闇の中で
下手くそな唄をむりやりに歌う僕の姿は
まるで強固な殻に閉じこもる貝のような
心を閉ざした引きこもりの少年のよう
さんざんばかにしてたけど僕も人のこと
いえるような暮らしぶりじゃない事を
今さら気付いたのさ
こんな傷だらけになるまで痛みさえ感じずわからなかった罪の意識に溺れた良心
正しさは今や海の底さ
言葉もなく何ひとつなし得ずただ無意味に過ぎ去ることを許した
通り過ぎる過ちをなんの疑いもなく愛想よくどうぞなんて通した僕が悪いんだね

それでも そんなになるまで気づけなかったのさ 此処まで来てしまえば楽だとでも思ったんだろう
その末路は静かすぎる孤独が待ってた それだけでした 君に教えたげる 先輩面した顔がおこがましいね もの凄く。

2008/04/19 (Sat)

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