詩人:甘味亭 真朱麻呂 | [投票][編集] |
昨日の惨事を反芻するように君は
迷いと不安のあいだを反復飛びするかのように
いつでも持ち上げられれば上機嫌
足りない頭で繰り返せることは 今これが精いっぱい
もうこれ以上何もできないくらいに僕は必死なのさ
傍から見たらきっと
たぶん見た誰もがばかにするような日々でも
僕にとっては
素晴らしい人生であり
これからもずっとそれは変わらない
ずっと続いて行くのさ
どこまでも限りなく続く迷路のように入り組む道
叫びたいことも
叫ぶ間際で振り落とされ叩き潰されて
ただその残骸が僕の中に悲しく残っているだけ
君はそれでも僕のそば笑うだけ
何ひとつ変わらないはずなのに悲しく見える笑顔は僕にとっては悲しく映る
泣いてるよりももっと
ふと思うそれならばまだ泣いていた方がいいや 強がりからの笑顔なんて見たくない
余計苦しいだけ
無理して笑ってくれても
今すぐさらけ出して慰めたい気持ちなのに君は一人抱えて僕を心配してかおびえる子猫のように
小さなおもちゃ箱ほどの狭苦しい部屋で
せつなく響く鼻歌をひっそり涙声混じりで歌うだけ 歌うだけさ
それがもしや僕をこんなに夢中にさせる支配者の品格というならば きっと絶対その品格が問われるな
僕は異議ありと叫ぶけれど 君は不当な判決にもこのままだったら 無能でばかな僕を気遣い自滅の道を歩むだろう
だから僕は悲しいのさ
大丈夫なふりをする
君を見るたび心の底から悲しくなる
涙あふれて本当は笑ってあげたいのに
なぜかこんなんだから悲しみしか感じない 僕は僕を恥じた
「少しくらい強引に君を抱きしめられれば」と、できない自分の弱さに小さくうなだれている肩越し
何となく窓の外目をやれば意外なほど決意は固まった そうだね、やらなくては始まらない 僕も君も悲しいまま
いつまででも。
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