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甘味亭 真朱麻呂の部屋


[2476] 生まれてはじめての恋
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]

取り返しのきかない
罪や過ちを誰かのせいには出来ない
なぜならば僕はもう大人になってしまったから

理由はいつでも数分も経たないうちに言い訳じみた
逃げの一手に変わる

ひっそりと ゆっくりと空を見上げて
じっくりと まったりと影を踏みしめる

悪ふざけが過ぎる自分の影が動けないように
自分の影を押さえつける

君のためにとか
自分の為にとか
夢を叶えるため
愛を守るために
自分を犠牲にまでしても他人を守り愛す価値などないなんて
それこそ価値のないそれ以前に語る資格もない事だね

絶え間なく流れゆく人の波に流されて
僕はつかの間に言葉を詰まらせてしまう
鼻づまりのように息もつかせぬ恋をした
生まれてはじめて貴方を見たあの日から

ずっと ずっと にらめっこさ
きっと きっと
あしたもそのまたあしたも
ずっと ずっと にらめっこさ

終わることのないめくるめくにらめっこ
どっちかが負けを認めるか引き下がらなけりゃ
終わることもないから再び延長戦に入る

キラリ 星が流れて
あの日 恋をした自分を思い出すけど
余りの恥ずかしさに薄紅色に頬も染まった気がしたんだよ

小春日和 はじまりの季節だからまた何かのはじまりなのかななんて思いながら
自転車で一面 黄色でうまる 菜の花畑の中 細い道を走る
菜の花の匂いに包まれながら やがて君の家につくだろう
そうこうしてるあいだに

君に言い損ねた 言葉をいうから
今背負ってくから
君の心へ届くように
今度ははずれぬよう
はずさぬようにと
祈りながらうたうよ

結婚しよう… 二人が出逢ったあの懐かしい教会で
白いウェディングドレスが似合う君とタキシードを着こなしたつもりで笑う僕
もらい受けた幸せが今夜咲くよ あたたかい灯りの中ゆらゆら揺らして 心を。

2008/04/30 (Wed)

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