詩人:甘味亭 真朱麻呂 | [投票][編集] |
空の扉にはカギ穴はない
出口のない世界と同じさ
ドアのないトビラの様に
ドアのないトビラの様に
ああ
ドアのないトビラの様に
僕は一生 一度さえも何処へも行けない
同じ変わらない世界で
日々自分だけが命を削り 形を変え小さくなる命を抱えいつの日だったか生まれ終わるまでを生きていきやがてあっけなく死んでいく
僕をやるなら十分なタマゴ形の小さな爆弾のタイマーがゼロになったら
僕は今まで生きてきた人生を走馬燈のように頭にめぐらす
その一瞬だけは永遠に止まってて欲しい
その一瞬だけは誰のためにも使いたくない
ただ自分のためにだけ使いたい 使いたいんだ
だからこの踏みしめるただの一歩さえかみしめて戻ることのない時間を心の奥歯でしっかりと味わって
感じよう 感じよう
その新鮮な味を
そのとき限りで終わる味を
味わおう 味わおう
いつでも!
トビラの先を夢みても無意味とばかりにドアは消えてアナボコになって
開けたとたんに廃墟のドアみたいに空洞だけがあるだけだけど 明日は見えない
丸見えなはずなのに
見えない 見えない
先は見えない 見えない
視界はただ暗いのみ
雨も降ってないし
霧もないってのに
いつまでも暗いだけ
そのドアのないトビラの先は
誰にも見えずわからないらしい
みんなわからないから確かめに行く
だからどうなるかわからない恐怖が生まれ
その反面楽しみも生まれる
少しだって見えないことで行きたくないとか行かなくていいなんて事はないから
それならせめてと人は日々有り合わせの何かのもので今を楽しみ
それでもダメなら
新しい何かをご自慢の知識でつくる
時代さえもつくり
運命にそった
形を象ってく
知らず知らずの間に 人は運命をなぞっていく いつか神が引いた線の上を人は生きていき歩くんだ。
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