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甘味亭 真朱麻呂の部屋


[2684] 夏前線
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]

錆び付いた自転車で畑に生(な)った果実を摘み取りにゆこう
真夏の空の下へ

青く澄んだ空の向こうに雲が広がる
積乱雲も広がる

トマトをかじる君の豪快さに一瞬心奪われてしまった僕

雷がどこかで落ちて世界が瞬間だけ輝いて見える 雨が降ってから鳴り始める雷はない
不安定な僕をどこまでも守っていこう
懐かしい約束の様に
永久に消えない証をこの夏に刻み込んで

夏がやってくればもう少しおしとやかに優しくなれる
蚊取り線香の香ばしい香り 立ち込める
風鈴の音色が綺麗に響く畳のいい匂いが心をしっかり包む

今が夏なんだと気づいたときから
僕は思い出してた
あの約束を

summer summer
summer summer

夏はみんなのものさ

summer summer
summer summer

夏が飛び込んできた

瞳に飛び込んできた
波しぶきが目にかかる
だから僕も飛び込む
あの懐かしい夏に向かい

走り出してゆこう
入道雲みたいな真っ白い心で 空の青さを隠す雲だって空の青さがなければ引き立たない 空も同じさ

だから夏はここにあるんだ 僕らに夏だとしらせるために
だから僕らもそれに応えて 夏に逢いにゆこう 今すぐに

夏が待っている
場所へ
あの坂の上へ
ゆこう ゆこう…

目の敵にした あいつも
仲のよかった あいつも

みんなみんな 夏を待ってる
暑くても
楽しい楽しい 夏を待ってる

今年も楽しい夏だといいなと願ってる
夏の前のに春の季節の中に浸りながら
ひたすら夏に向かって泳ぐ あたたかい桜風呂

ほら君に初恋前線まっさかり

あの日のように
また 幸せは巡るんだ
何度も何度も同じ気持ちで
また当たり前でありふれている
最高の幸せが昨日のように すぐそこにある。

2008/07/19 (Sat)

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