詩人:甘味亭 真朱麻呂 | [投票][編集] |
久しぶりに雨が降った日の街で
今日とよく似た日を思い出した
カラフルなビニールで出来た傘
君は回しながら壁にもたれて
ふっとセツナイため息ついていた
青と赤と黄色の信号機 その全部が赤だって事はないさ
灰色と白の横断歩道 今の彼氏でもなんでもない僕には元気出してなんて大それた事いえなくて
ジオラマみたいな街の中 とりあえず走る
はるか地上から街並みを見下ろすような気分で世界を手にした夢をみてた
そんな理想だけを抱いたまま大人になる僕
温めたミルクもさめてしまえば無意味に終わるね
また温める羽目になるから手間がかかるね
だから一発で決めてやる 君にいうから
大それた事いえるように もう泣かせないから 僕ならば
君にフォーインラブさ
あの日はじめて君を見たときから
今までにない運命の風
この胸を確かに吹き抜けたのです
そう、確かに
緑色の夏の風が僕の童貞をさらってた
静かに静かに甘くセツナイアーモンドの味を残しながら
ひとりの生活に君がピリオドを打った
愛してるってつぶやいた途端
私もなのって驚くことに両想いだった
簡単に成立したから恋としては張り合いもロマンもないけれど僕は涙がでるくらい嬉しかった
人一倍夢見がちな僕だったから
運命に間違いはなかったって証明できたから 自分の勇気ある決断で
置き去りにされた
人と同じほどの想い
この胸駆け抜けた
頃を思い出しても
振り返る。さもなくば横を向く
誰だって手の目隠し外せば笑う君がいて
いつの間にかそれを当たり前な事と思う身の程知らずな僕さ
自分のプライドや理想を一度跡形もなくぶち壊して
君用で君にあうプログラムに変えまして向き合えれば一番いいだろ? それとも不器用なままの僕がいいかい? それもまた君を愛してるが故の君を愛す前の下準備。
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