詩人:甘味亭 真朱麻呂 | [投票][編集] |
地肌を突き刺すほどの寒さがこたえる
十二月の街 どの店も電飾できらめいてる
表通りに出れば大きなクリスマスツリー
いろんな飾りがそれぞれ光ってる
ふいにあなた思い出す
魔法のようにふたりの恋はさよならという言葉だけですまされた
終わった恋に未練はないけれど
なぜだかあなたのくれた言葉やあたたかな笑顔が今でも胸の中で消えなくて
自分でも消そうとも思えないんだ
今までのどんな人よりも一番あなたが人間らしかった
つまらないことでふたり笑いあい
多少のことならばふたり許せてた
今見てるツリーのようにあのきらめいた日々妙に懐かしくて
君と見た 季節のいろんな景色
君と見た ホワイトクリスマス
二年前までは当たり前のように見てたけど
さよならの言葉がそれを当たり前じゃなくした
悲しい魔法なんだ
これは夢なんだ
そんな気持ち
どうしてこうも守りたがるんだろう
それはきっと
あなたとの思い出が僕にとって美しすぎたから
だからさよならしたときの悲しさもひとしおだった
あの時の悲しさごと抱えた思い出を僕は
決して悪い思い出とは思わないから
どうか胸の中だけでは笑っていて 君よ
あの日出逢い恋に落ちた十月十日のアイラブユー
あの日おぼえた懐かしくも切ないラブソング 歌うよ
君にむけて…
まぶた閉じれば今も鮮やかに 嫌みなほど輝いてる
まぶしすぎるあの笑顔がまだ僕を思い出から遠ざけさせない
ずっとはなれられない ここから一歩も動けない
あの日から立ち止まったまま進まない物語
昨日と同じ気持ちで朝はまた来る
君の記憶とともに何度でも君が揺れるたび見えない涙が心をぬらす
君の背中が心なしか小さく見えた 冬はさよならの季節
すれちがいから離れてしまったふたりの追いかけてた明日があまりにも違いすぎて悲しい。
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