詩人:甘味亭 真朱麻呂 | [投票][編集] |
人間がいつか死ぬのは人間の中に自動自爆機能があるからだ
だから人間はいつか時がくれば魂もろとも意識も感情も記憶さえ吹っ飛ぶってなわけ
魂がない人間など爆発したも同じだ だからこそ身体だけあっても無意味だと悟った人が死人の身体を燃やすのでしょ
だから自爆機能はやがて僕を爆破しにくる
身体に備え付けられたその機能が起動すれば
俺は一気にあの世行き
いつかの話さ
まだ先の話さ
なのにな
なぜこんなに泣けるんだろう
なぜこんなに悲しくなるんだ
心が痛い
死にたくない
死にたくない
死にたくない
若いのに縁起でもない言葉を繰り返し連呼する
死にたくない
死にたくない
願わくば永遠の命をおくれ
俺に勇気があるなら悪魔に魂を売り渡すのにそれもできないよ
だって勇気があっても悪魔なんてこの世にはいないから
悲しいくらい掟に忠実なやつらの声が響いてる
ルールから逃れられる出口もないこの世界じゃただ何かに従って生きないと自分さえ確立できやしない
繰り返し繰り返し眺める退屈な景色がとうとう見えなくなってにじむ頃には
かすんだ世界がはじめてきれいに見えるよ
だってそんな日を待ってた
今じゃ話し相手も他人しかいなくなって
僕のママもパパも天国にいるよ
だがら僕も考えが変わって死にたくなったよ
死ぬのなんてこわくなくなったよ
だがら急ぐ 急ぐ
明日へ
転ばないように気をつけながら
例のあの機能思い出したら気持ち悪くらいにやけてた
本当わからない
僕はわからない
狂った瞳
眼差し落とせば
今日もしのごの言ったけど夕陽がほら沈んでく
冬の陽の短さにせつなさ感じて目を閉じただけ
僕は一瞬 ふたたび永遠にこの世界見ていたくなったよ
だけれど強がりと嘘でまた本当の気持ちごまかした。
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