詩人:甘味亭 真朱麻呂 | [投票][得票][編集] |
視野は最悪
なにも見えないよ
ただイメージするのが限界です
背後にある遠い過去と目先にある未知なる遠い未来とその狭間の今を
比べたり照らし合わせてみてももう過ぎたりしていれば言い訳になる
それでもまだ僕の虫眼鏡は何かを映してるよ
視界は最悪
曇りガラスみたいでも
まだ僕には未来がある
叶えられる将来がある
遅くはないはず
今からでも
ここからでも
ちょっと苦労するだけで見えなかった何かも見えるよ
視界はだんだん晴れるよ
霧も晴れるよ
空も晴れるよ
されど
僕たちの明日は皆無であるがゆえにこわくないはずはない
いいんだよ
それが普通さ
自分に言い聞かせて
自分を慰めて
ふるえをゆるしおそれや弱気を愛す
そんな毎日の中
繰り返しの先に咲く花はどんな花か
それさえわからない僕にはわからないからちょっとやそっとの言い訳はご愛嬌
なんせ 僕たちの明日は皆無であるからして仕方ないのである
そのふたつは紙一重だ
しかし自分をゆるせる優しさや甘さは多少必要だ
だから間違えではない
だから誤りや血迷ったわけじゃない
見えないハンデはあるかなあ?
あるなら長い目で見ておくれ
悲しき旅人の情けだ
なぜ産み落とした?承諾もなく
そういうことでゆるしは多少の癒やしと受け止めてそれだけで勘弁しよう
旅人はそれで目を閉じると続きのページをめくる
笑って笑って雨の中 生まれた悲しみより生きる喜びを知ろうと前に進む
何より瞳は輝きに満ちていた
遠い昔の話
老いた旅人の若かれし昔話さ。
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