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甘味亭 真朱麻呂の部屋


[4363] 悲しみの温度
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


涙は言葉にならない気持ちの削りカス
ポロポロ ボロボロ
思い出もほら流れる
笑顔はその歯痒い気持ちを癒やす鎮痛剤
へらへら わらわら
涙もねえかき消せる

それでも消えない
それでも消せない
ぬぐえぬ涙

そんな記憶もまた
そんな思い出もまた
意味がある

涙は記憶から除外するばかりが策じゃない
涙はきっと言葉にならない気持ちが言葉にならない気持ちであるために流れる言葉にならない気持ちのための水だ

それでもいいんだ
言葉になんかならなくたって立派な意思表示だ
だからこそ笑える
だからこそ泣ける

明日は明るいよ
明るい日になるよ
希望はもうすぐそこさ

涙パラパラ雨のように流れてしまうときも落ち込まず平静をとりもどすためにしばらくは黙ったまま目をつむろう
その気持ちに全てゆだねて

涙 また こぼれ
こぼれ こぼれた
出し尽くすことはない
いくら流しても
だからだから言葉にならない気持ちの
涙を誘うほどこの世界の悲しみは冷たすぎる温度で僕らを低温やけどさせるんだよ
突き刺すほどの冷たさで躯をつらぬく鋭さで 悲しみは 悲しみは 悲しみは涙をいつも呼びやがるんだ

目から次々と
心から次々と
一度は捨てた気持ちさえ知らないあいだに奪われて

出し尽くすことはないから永遠に吸い続けられる どこかに溶けて消える 涙

きっと悲しみは温度計を壊すほど計り知れない温度をしている
だってその温度に触れている僕はもうほらこんなに瀕死状態に近いライフだから

免れるわけはないんだ
悲しみからは

どこまでも付いてくる
月のようだから。

2009/07/16 (Thu)

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