ホーム > 詩人の部屋 > 甘味亭 真朱麻呂の部屋 > 涙のあとに咲く笑顔の花

甘味亭 真朱麻呂の部屋


[4390] 涙のあとに咲く笑顔の花
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


涙のこぼれた場所に咲く花があるという
傷跡に咲く花もあるという
無駄なものはないさと誰かが僕を慰める
だけれど僕という奴は他人より自分の意見を通すから聞く耳などもたずにいた

涙流せば悲しいだけだと思うのに
大好きなあなたは悲しみは人を強く強くするんだと笑って言ったんだ
人の心の根本から強く強くするんだと

だから僕もそんな強いあなたを心の鏡に映して見習うよ
本当は弱いのになぜこうも輝けるのか
僕は不思議でした
あなたの中にあふれる揺るぎない力が

涙を流したあとに笑顔を引き出すのは難しいですか?
でも僕にはキミの励ましとエールがあるからどうにか笑えそうです

ほらキミに見せたいな
涙のあとに咲く笑顔の花
どうだい?笑えていますか?
なんて一人呟いて誰もいない空に語り目を閉じた

涙がもしもあなたを強くしたなら手に入れたその強さは最後の悲しみからあなたをどう守ったのか
あなたがくれたこの強さはあまりにまっすぐすぎて僕にはなんだか合わないよ
それでもキミがくれた笑顔だけはいつまでも胸の中で輝いているのだろう
明日に希望の虹が架かりなんだかまた笑える気がしたよ
なぜかそう思った

夕暮れの空の下
口笛を吹いて
習ったばかりのうたをうたいながら
最愛のキミを思ったよ
瞬間、風がやさしく頬をなで髪を巻き上げた

僕の心
今ならば
ほら 真っ白だよ
幻のキミと並び
この世界の悲しみにちょっとだけ対抗できるような強さもてたよ
もう無意味な涙なんて思わない
笑顔の種から咲く涙の花もきっと生まれ変わったように喜びになるんだと知ったから
繰り返す日々の中で形になるんだ
ねえそうだよね? うなずいているキミに手を振って僕はキミを置いて先に急ぐよ
夏からやがて秋へと急ぐよ

この涙は大きな意味をもった涙だけどただ流れる。

2009/07/25 (Sat)

前頁] [甘味亭 真朱麻呂の部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -