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甘味亭 真朱麻呂の部屋


[490] 哀れな人
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


通り過ぎていく時の流れに身を委ねただ僕は生きている
月と太陽の交わりを目にすることもなく気づけば今日も夕暮れ
窓の外に光り輝く三日月

傷つきたくないが為に
仲間意識を高めてく
他人の事なんて見て見ぬ振りをしてた
心の扉を自ら閉めていつからか孤独という重い荷物を抱えた
知らぬ間に大人になっていく
まだ幼い僕が見上げた空は晴れていてもどんよりとした不安が見えたような気がした

声にならない誰かの叫びを耳にする
行き交う人の群れはまるで夢を忘れたださまようかのように淋しげな瞳をしている
今を生きることが精一杯で未来や夢なんて先のことだともがくかのように現実からひたすら逃げ続けた

見えない不安を怯え
いつの間にか抱えてしまった孤独に足を取られて
夢見ることも忘れて理想とはかけ離れた
現実を僕は生きている
大半の人はそんな風に理想に破れ
その悲しみを紛らすために型にはまった生き方を選ぶんだ
できるだけ楽な生き方に歩いていくんだ

そうして
僕も 夢を忘れ
現実に破れ
夢にさえも裏切られ
ただ行き場もなく
さまようだけの哀れな人。

2007/02/08 (Thu)

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