詩人:甘味亭 真朱麻呂 | [投票][編集] |
パラパラと小雨が降ってる
傘を忘れた僕の頬をやさしく滑り落ちる
かすかに冷たいその雨粒は僕の髪の毛を伝って
アスファルトに弾けて落ちる
音もなく静かにゆっくりと
何度も何度も
僕の髪の毛を伝って
頬を撫でて
アスファルトに弾けて落ちる
聞き覚えのある
歌声が耳に届いてる
心をふるわすやさしい歌声に耳を傾けて
ちょっとだけ口ずさんだ
鼻にかかった
ちょっと不器用な
その声が今の僕にはどんな励ましよりも
やさしく
そして
元気づけてくれる
そんな気がしたよ
家にたどり着いた頃には
もう小雨は降り止み
空からお日さまが
そのまぶしい顔をのぞかせていた
頬にわずか残る
こぼれ損ねた
さっきの雨粒
拭って 少しだけ元気が出たから
お日さまに笑いかけてみた。
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