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甘味亭 真朱麻呂の部屋


[924] 『夜想曲』
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][得票][編集]


幾つもの夜が訪れ
何度あの月の輝きを目にしただろう
見る度、見る度
想うことは
いつも変わらず一つだけ
君を想い
その度、その度
溜息を零す
それはもう
毎夜のように
何度も何度も
僕は溜息を夜に零す

でも、きっといつか言わなければならない
胸にしまい込んだ今のままじゃ
とても苦しくて苦しくて居られないから
きっと僕は君に打ち明けるんだろう
この胸にある気持ち
それがもとで僕を悲しみの中へ追いやったとしても
後悔はしない
自分で決めたことだから
きっと言わないでいるよりずっと傷みは浅くなると想うんだ
きっとその方が良いと想うんだ

そして今夜も
月は闇に身を潜め
僕を遠くから
見下ろしている
それはもう
ずっとずっと
遠くの方で
見下ろしている
まるで
僕を急かすように
眩い輝きを放って
僕は未だ言えずにいるもどかしさを胸に
大きな大きな溜息を零す。

2007/04/12 (Thu)

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