詩人:木菟 | [投票][編集] |
いない いない ばぁ。
ちゃんと
ここに居るよ
ここにいる。
君が泣きながら笑っているからね
僕は
君の側にいるよ
大丈夫さ
今は泣きたいのだろうけれど
泣いてて構わない
コンクリートの上に
真夏のパチンコの屋の駐車場の車内の中に
トタン屋根の上に
きみを置いていくこともできる
けれど
僕はここに居ると
きみと一緒にいると
決めたから
今決めたから
明日には嘘になってしまうかもしれないけれどね
側にいるよ
ちょっと待っててね
絵本を持ってくるよ
大丈夫だよ
ちゃんと聞こえているこの耳だって
まだちゃんと聞こえているから
いつかきみの記憶に残るだろうか
今日みたいなよく晴れた日
ときどき雲間から心地よく照らしてくれるぴかぴかした
僕だけがちょっとばかり哀しくもなる
この日差しと
ささやかな優しい風
今僕の目にうつるのはこの部屋と
きみときみを包む僕の手と
太陽の光と
このぼろアパートと
この町と
規則正しい列車と
鞄を持った学生と
会社員と
迷子と
青い空と
歌う鳥達と
やがてくる
茜色に染まる暮れ
と
隠れて今日は
どこかでワインでも呑んでるだろう
神様みたいな月
詩人:木菟 | [投票][編集] |
そう
世界の結末は
哀しいものかもしれない
だけれど
誰かが
誰かへと
誰かへ
誰かが
誰かへと
すべての生命へと
残したいと
願い
残していく
愛を
願いを
心を
忘れないで
詩人:木菟 | [投票][編集] |
ずっと忘れてた事を思い出したりしたんだ
ちょっとずっと前に
単純に
純粋に
凄く
楽しかったよ
幸せだったよ
そう
今は
みな
何をしてるか分からないけれど
会うこともないかもだけど
楽しかった
みんなの声だけで
そこに音楽がありました
たしかに素敵な音が
下手くそでも
馬鹿馬鹿しくても
真似事からはじまったそれでも
それはそれは
草の匂いにも似た美しいみんなとわたしの声が
あの歌は
今は
もう風に乗って消えたなんで始めたんだっけ?
始まりも
終わりも
もう思い出せないけれど
また
忘れないで
いたいんだ
あの時の喜び
忘れないよ
また
やりたいな
生きてる限り
うん
出来るんだ
詩人:木菟 | [投票][編集] |
ちょっと突くと血が滲む喉
敵に思える憎い動悸
僕は強くなり
僕らは僕は悪魔でも天使でもあれる
いつかまだ見ぬ君の手を握る為に
この残酷な世界で迷子になった人の手を握り
虹を見て自然を愛で変わらぬ空を見上げ共に見たいね愛を忘れたくはないと
そして皆人間であるうちに
それぞれに宝物を残して託していこう
いつか土に還り
静かに風になって揺れるのかもしれない
誰かの背中を撫でるのかもしれない
草になって魅せるのかもしれない
星になってじっと見つめてもらえるのかもしれない
死ねない体を与えられるのかもしれない
死ねない魂などはいらない
死んでまで生きたくはない
そんなものは土に野小便して蒸発されて跡形もなく消えてしまってください
ただ確かに僕らの生きた証だけ希望だけ本音だけ愛してください
愚かな過ちを見抜いてください
そして笑っていてください
幸せを創ってください
なぜ
よく晴れた日
私がニコニコしていたか解りますか?
単純な理由です
わたしが貴方と
会える今日という日は時は二度と来ないからです
嗚呼 傲慢な戯れ言
笑ってください
馬鹿馬鹿しいって
皮肉ってください
こんな事を言う奴は
本当に信用してはなりませんよ
ええ
獣と見なして結構
寝て食って遊んで走り回って喋りまくって必死な猿ですことよ!
あたくし必死な猿ですわ!
詩人:木菟 | [投票][編集] |
意味わからないのに
意味わかってて
意味わからないくせに執着
意味分かっていて執着そして
意味はわからない
死をちらつかせるなと言われたけれど
生があってアタシがいるから
アタシは死をちらつかせてる
いつだって背中に死は寄り添っている
うたわずしてなにになる
誰かの不幸は願わない
夕日に吐きつけた煙
馬鹿馬鹿しくて笑えた
なにもかも掴むつもり勇ましく
しかしなんにも残らず
衰退の一方を辿るから
可笑しなダンスでせめても晴れやかに
間違い探し 果てなく続くだろうさ
今先程の私も 貶された 自分に
星を見ようね
君は星には興味などないと言ったけれど
そんな事はないんだ
きっと
夢の中でだって
いつか君は見ているだろう
言葉に出来ないだけで口から言葉を出さないだけで
僕が知らぬ君の眠りの中の夢の中で
君は きっと 色々な夢を見ている
ひとつにはなれなくても
邪魔しないように
撫でる 撫でる 撫でる 風だって 君を時にやさしく撫でている
さようなら
おやすみなさい きみ
詩人:木菟 | [投票][編集] |
実感の欠落
死に逝くけれど
死に生きたくはない
携帯を握っているのに握っている感覚がない血が出ているのに
痛みが少ない
おかしな感覚
死に逝く本当の最後の数秒間の瞬間も
緩やかに斜面を滑り落ちて
穏やかな気持ちで眠りにつくようなのかな
遠くで救急車の音
急げ急げ
僕も急げ急げ
洗濯機を回して
掃除して
急げ急げ
脳とにらめっこ
急げ急げ 救急車
急げ急げ 僕
詩人:木菟 | [投票][編集] |
「皆 敵だよ」
「はい、確かにそうでした。」
僕は感心したんだ、
深く深く深く
死んで
殺した
バトンタッチされただけみたいなものだろうか供えるもの何もない許されない
想うこともない
許されない
知られることも
許されない
想うこともなにもかも許されない
もうわからない
許されない想うこともなにもかもない
そして
ほんとうになにもないんだって
また
じん、と
じゅわりと
真っ赤な水分をたっぷり含んだ心を確かめて僕の終わりの日まで
僕はてくてくと歩くし世界の終わりまで
今の歴史をお人形さんが高速で速記しながらその頃どこかで誰かがお気に入りのイカした音楽かけながらハイウェイで飛ばしてる
黄緑色したブランコは正しく揺れている
工場裏では汚れた手袋水道で洗ってパンパンってはたいて干している
毎日帰り際に日課みたいに機械への愛がふと過って喫煙所ではしわくちゃのおじさんとケラケラどうでもいい事で笑っている
少しの沈黙に僕は彼は家に帰ったらどんな夕食を食べているのだろうとか奥さんとの会話とか思いがけずやっぱり想像してしまう
具沢山の温かい汁物と真っ白なご飯それだけ想像して酷く泣きたい気持ちになったりしてる次には高い段差に躓かないように気をつけて廊下にでる
体には良くない鉛臭い場所を抜け出し
僕臭い車に乗り走らせて窓を開けて草の匂いを吸い込む
ローラースケート履いて街を切り取っていって見ていたって哀しくなりそうだ
君がたまらない、なんていった
どうってことない、だろなんて僕は言いたくはないのだけど
簡単に言えてしまうから出来れば君の希望に添う無言だっていいし似合わない場所、なんてことはないよ関係なしに吸い込みたい吸い込んでしまおうよ、草花の匂いも埃ぽい匂いも雨の匂いも土の匂いも。君の涙の匂いとか嗅いでもいいかな、本気でするんだけどそんな嫌なするからさせっかくの可愛い顔がさ 笑ってよ
詩人:木菟 | [投票][編集] |
雨がぽと ぽと ぽと
涙なら 用途別に 使用してください そういう仕様なので
また 楽しさも わたし は あなたに 使われるために 生かしてもらうために
葉が揺らされている 冷たい雨に打たれて と と と
用水路が じょろろ ちぃょょろろ
鴉が鳴いている 虫も 僕らは 震えながら それでも 動き続ける
鳴いている事に 泣きたくなったり
雨粒 肩に とんてんとん
変わらないでいて 高々とあげた旗
雨より雪より冷たいような眼 身体中痼になって
触れ続ける手を叩きつける訳でもなく 宙に止めて
と どん 数日前蝶と衝突した わたしは 死んだのか 瀕死なのか
胸を痛めることなく 前を向き続け加速した
黄色い黄色い いのち 有る蝶を 蝶を 蝶を 殺めたのです
雨より雪より冷たいような血が 流れ れ つとつとつと ととと
いつかの馬鹿げたお話 眠り続けて すやすやすや
勝手な創作 さよならの創作
目覚めたら 笑ってごらん 真剣な眼が ふざけた眼でも
くり貫いて確かめたがる 僕を 笑って
最後に笑ってほしい そうしたら信じれるだなんて
僕は もう人間じゃないのかも知れない
ぽと と と と
詩人:木菟 | [投票][編集] |
また、発病したのかね
薬指の消火器で消せるのだから
辛くはなかろう
おちゃらけた戯言でも、想定通り傷つくんだぜ
憎しみあいながら 背中でも洗い流しあおうか
あの時 殺しとけば良かったかなぁ
ねぇ、まだ
楽になりたい
遅くはないよ
任せてくれたなら
嘘
笑うことしか出来ないや