詩人:あいく | [投票][編集] |
私が若かった頃
取引先からの帰りに
同僚の女の子と
並んで歩いてて
妙に肩がぶつかるので
変だな、とは思いながら
少し間をあけてみたけど
やっぱり肩が当るので
混んだ雑踏を
歩いているのだから
しょうがないものと
思っていました
今思うとひょっとして
なんかサインやったかな
などと、おっさん臭く
考えたりして
もし仮にそうだったとして
そんなサインなんか
気付きもしない
お子様だった自分が
微笑ましいくらいです
そんな思いに今更
邂逅している自分は
全くもって微笑ましくはありませんが。。。
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仕事でやなことが
重なる日はな
とことん重なるねん
あまりの不運の連続に
この世を呪うがばかりに
気持ちは沈みこむんやけどな
その日の帰りにな
スーパーよったら
キャベツ安売りしてて
ラッキーって思ったら
もうその日のやなこと全部が
まあええか。。。
て思えてしまうねんな
安売り言うても
いつもより30円くらい
安いだけのことやねんけど
それでも
まあええか。。。
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この冬に
生れた鴨の子が
飛ぶ練習を
はじめたようだ
翼をばたつかせて
懸命に水面を蹴るけど
三間ばかり浮いたかと
見ていたら
すぐに着水
というより墜落
本当に短い距離
ほんのわずかの時間
でもそれが最初の一歩
最初はなんでもそう
どんな大河の源流も
最初は杯を浮かべるのが
やっとのか弱き流れ
そのはじまりたる濫觴
誰にでも
どんな事にも
濫觴がある
飛ぶに拙き若き鴨も
いずれは大空をまうだろう。。。
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自販機から
おしるこが
消え去るこの頃
ただ心残りは
やはりこの冬も
攻略出来なかった
あの忌々しき砦
缶の飲み口の
渕の高さを
越えられず
へばりつき
脱出かなわぬ
小豆の粒が
無念を告げているようだ。。。
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消費期限が
一寸くらい
過ぎとるからって
諦めたらいかんで
自分の目を
自分の鼻を
自分の舌を
信じて使ってみいや
自分の定規を使って
考えてみいや。。。
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ハゲだった
うちの爺さんは
ハゲのくせにいつも櫛を
ポケットに入れていた
なんだかなぁ
と思っていたあの頃から
十数年の月日が流れて
なんとなく
心意気だったのかな
と思うようになった。。。