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アルの部屋


[105] あはれ
詩人:アル [投票][得票][編集]


黒髪、頭皮の
その下の。
頭蓋の奥の、
思考跋扈の温床。
例えば見栄て、
触れ得てさえ、
ぬらりと
捉え処なく。
うたかたに
うつつ抜かして。
朝霞の帳
隔てられては
味気なき薄ら茫洋。
いつかは果てる境、
手まさぐりに
痛痒の如く掴めぬ実体。
遊園回廊の影絵。
操る傀儡、四肢踊り。
縺れる肢体で
てんてこ一差し
舞う間隙も。
流るる星霜
いとどあはれに。

2010/05/09 (Sun)

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