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ゆなぎの部屋


[103] ひとりに
詩人:ゆなぎ [投票][編集]


「もういいよ」嘯くきみ
「嘘つき」届かない

あの日伸ばしてくれた手を
確かに私は掴んだのに
どうして今、ひとりなんだろう

あの時確かに、側にいるといった癖に
あの時確かに、約束を交わしたのに

今、右手が冷たく悴むのは
何故?
今、ひとり震え朝を待つのは
何故?

呼吸をしてるのか不安になる
指先に微かに灯る吐息に
胸をなでおろす

早く起きて。朝だよ。
いつもみたいに、「やぁ、」
笑って。

届くように掴みたいのに
触れたら私は死んでしまう
言葉を交わせないその瞬間に
ひとりに押しつぶされて死んでしまう

ねぇ、早く起きて。
あなたをひとりにはしないから
ねぇ、早く起きて。
私をひとりにしないで。

2015/11/07 (Sat)

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