詩人:ゆなぎ | [投票][編集] |
「もういいよ」嘯くきみ
「嘘つき」届かない
あの日伸ばしてくれた手を
確かに私は掴んだのに
どうして今、ひとりなんだろう
あの時確かに、側にいるといった癖に
あの時確かに、約束を交わしたのに
今、右手が冷たく悴むのは
何故?
今、ひとり震え朝を待つのは
何故?
呼吸をしてるのか不安になる
指先に微かに灯る吐息に
胸をなでおろす
早く起きて。朝だよ。
いつもみたいに、「やぁ、」
笑って。
届くように掴みたいのに
触れたら私は死んでしまう
言葉を交わせないその瞬間に
ひとりに押しつぶされて死んでしまう
ねぇ、早く起きて。
あなたをひとりにはしないから
ねぇ、早く起きて。
私をひとりにしないで。