詩人:安曇 | [投票][編集] |
旅に出たノートは
今頃どんなものを見ているのだろう。
旅に出たペンは
今頃どんなことを書いているのだろう。
夜を着飾った空を見上げて
柔らかく光る月はどこにいきたいのだろうと
呟いてみた。
街灯のスポットライトを浴びているキミは
とても綺麗で。
明るい空で薄く、
ただ確実にそこにいる月のように。
僕の恋は、薄く目立たないが。
確実にここにいる。
街灯がまるでスポットライトのようにみえてしまうほどに
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つみあげていた、周りと同じようなブロックを
思いっきり壊して
笑ってやった
私は、いつのまにか
周りと同じような色で、
恥ずかしくないような形のブロックを
同じようにつみあげていた。
一番下の、私の色で、私の置き方なんて
見えないように
どーんとつみあがっていたブロック
自分でやって窮屈になって
わかっているのに、泣いて見せて
もう、バカらしい。
だから、思いっきり壊して笑ってやった
見ている人にも、窮屈だった自分にも
見せ付けるかのように。
私は、ずっとこうしたかった。
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道路のハシとハシ
気持ちのいい風と一緒に、自転車こいで
バカみたいにはしゃいでいた
他愛もない会話に、くすくす笑って
大きな声で、叫びあった
―さむーい
―ねー笑いすぎー
―またねー
―また、明日ねー
同じスピードで違う道を進んで
当たり前のように、明日の約束をして
ただの一日がこんなにキラキラしていたってこと
こんなに素敵だったってこと
あの日のような、気持ちのいい風がふいて
自転車はないし、道路を挟んで話していた君もいないけど
嬉しくなって、走っていた。
大声ではしゃぎながら
あの頃のように
今日、キラキラのかけらを見つけた。
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泣きたいほど綺麗な空の下を
泣きたいほど好きなあなたと歩いています。
溢れ出しそうな感情を必死でこらえながら
私の心臓は忙しく動いています。
そんなことを知らないあなたは
綺麗だね、なんて笑っています。
私の、心臓の忙しさも知らず
とてものんきで、可愛くて
きっと、こんな瞬間はもうこないだろう
そう、思えるほど愛しい瞬間でした。
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霧雨が私の視界をぼやかして
朧月の柔らかい光が広がっている
こんな夜は、身をゆだねたくなります。
霧雨にも、朧月にも、あなたの優しい温度にも
安心しきったこどものように
ゆだねたくなります。
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悪口を言ったあなたの悪口をあの子が言ってました。
嫌なことは回りまわって返ってきます。
それが早いか、遅いかってだけです。
私が言った悪口も、きっと返ってくるでしょう。
そのことに気付いてはっとしました。
悪口を言われたくないのに、簡単に言っていたので
はっとしました。
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あなたを見つけることが得意だった。
人ごみの中でも、薄暗い帰り道でも
みんなと同じ制服の後姿でも
簡単にあなたを見つけられた。
でも、秘密なんだ。
あなたに抱いている想いも
私と同じように、あなたもあの子をみていることも
秘密なんだ。
あなたの近くだと、ちょっと声が大きくなることも
あなたがあの子の前だと無口になることも
秘密。
こっそり、あなたの写真を撮ったことも
あなたが、あの子の好きなCDを買ったことも
全部ぜんぶ秘密だよ。
あなたがあの子を好きって知ってるけど、
あなたへの想いが消えてくれないから
秘密にしてないと、ちょっと痛いから
口に出したら、もっと痛くなりそうで
秘密が増えるばっかり。
ずっと、ずっと好きなのです。
これは一番の秘密ごと。
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雨の日に、傘を投げ捨てて走り出した
笑顔の仮面は雨に流され、僕の顔が現れる。
息を切らして、汗と雨で濡れながら
僕は僕の顔であなたに逢いたかった。