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歌を忘れた金糸雀
詩を忘れた私
金糸雀は籠に
私は街に
ある時私は
はやしたてる人たち
に質問をした
金糸雀は
何のために
存在している
のですかと
もし歌を歌うこと
ならば
彼女は金糸雀なのかと
私の問いに
誰もが笑い
去っていく
私はただ
金糸雀に
聞いてみたかった
君は
声を無くしたの
歌いたくないの
君は
金糸雀なの
君にとって
歌はどんなものと
聞いてみたかったんだ
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どうしようもなく
うめたいのですが
ことばがまったく
うかばないのです
こうしてつくえに
たまっていくのは
しろいしろい
くろいくろい
げんこうようし
どうしようもなく
すてたいのですが
からだかまったく
うごかないのです
こうしてつくえに
たまっていくのは
しろいしろい
くろいくろい
けしごむのかす
どうしようもなく
かきたいのですが
なにをかくべきか
わからないのです
こうしてつくえに
たまっていくのは
しろいしろい
くろいくろい
わたしのこころ
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ここに
自由帳がある
何の変哲もない
市販されてる
自由帳
真っ白な雪
見果てぬ未来
完璧な美しさ
これぞ
一つの芸術
説明など
いらないだろう?
これは
空白
それで充分
これで十全
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あかねいろ
いつも探した
薄い影
鉛筆でそっと
同じ大きさ
書き足した
気づくのは
口に出した後で
消しゴムは
声を消せない
さで始まる感情が
染みいる前に
する癖は
世間じゃ白い目
そんなの知らない
高い空と
小さな僕
冷たいのは
手じゃなく心
取り敢えずの友達
流されていく時間
似ているのは
抜け殻なところ
根深い
ノートの落書き
吐き出した
秘密と小さな本音
不思議と気づかない
凹みに溜まるのは
殆ど毒で
末尾はいつまでも
見上げるハテナ
無意識の問題
眼鏡のレンズが
もがく僕を
楽にする少しだけ
リアルは遠く
累々とした
例文だけが
廊下を走り回ってる
湧き出した言葉は
空気中を
漂流してるだけなんだよ
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そこにあるような
ないような
ふれては
きえてしまいそう
めにみえない
にさんかたんそが
まわるだけで
ぼくのことばは
ぼくのことば
だれかのことばは
だれかのことば
にさんかたんそが
まじるだけで
あたまのなかで
かいわする
そこにあるような
ないような
ふれては
きえてしまいそう
ぼくのことばは
ぼくのことば
だれかのこえで
ぼくのことば
にさんかたんそが
まじるだけで
そこにあるような
ないような
ぼくとだれかの
かいわするこえ
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空が蒼いのは
光が埃に
反射しているから
と知ったのは
何時だったかな
海が碧いのは
碧だけを
はねのけるからだ
と知ったのは
何時だったかな
教科書の奥に
しまった
解明されて
崩された
夢の欠片
光さえ
なにか
特別で
キラキラ
輝いてた
公式に
当てはめた
世界は
味気ない
何の変哲もない
日常
溢れかえった
玩具箱は
何時しか
姿を消した
斜めから見る
社会に
慣れて
フリを
覚えた
真っ直ぐ
見る
素直さを
どこかに
落としたまま
闇に囚われた
いつか
空を飛べると
信じてた
流れ星に
3回唱えられれば
願いは叶うって
信じてた
今、考えると
馬鹿馬鹿しいことが
どんな宝石より
大切な思い出
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強いことは
弱さだと
弱いことは
強さだと
君が教えてくれた
僕のは
カッターの刃の
脆さだと
いつのまにか
縫うのが
上手くなった
心の傷
身体の傷
いつも
胸ポケットに
ソーイングセット
初めての傷は
上手く塞がらずに
日々増える傷の
痛みは一瞬で
糸を通す
指の震えは
涙と同じで
すぐに消えた
強いことは
弱さだと
弱いことは
強さだと
君が教えてくれた
でもまだ
わからないんだ
君が僕に
言ったのは
どっちだったのか。