詩人:るどるふ | [投票][編集] |
僕は雲のようにフワフワと空を漂う
執着やしがらみにとらわれない
みんないいなと言ったりするけど
ほんとは捕まるところ探してた
風は僕が吹かせてるんじゃないから
周りの空気にグニャグニャ形を変えてばかり
ホントの僕はどんなだっただろう
端からちぎれていく雨雲
降らす雨は疎ら
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冬が寒いとみんな言ってた
僕にはわからなかった
僕は冬の住人だったから
ある日優しい誰かが出来立てのスープをくれた
こんなものがこの世にあるのかと
冷めてしまうことがもったいなくて恐くて一気に飲み干した
僕は寒さを感じた
身震いするほどのぬくもりを知ってしまったから
こんなことなら気まぐれの優しさなんていらなかった
冬から出なければ寒さなんて知らずにすんだのに
嘆いてたって仕方がない
これからは自分でスープを作ってこう
いつか誰かに食べてもらうために
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心の痛みを音にしたら予想外に低かった
ギリッとかピキッとかじゃなくて
言葉に出来ないくらいやけに鈍くて
多分一度もう粉々になってて
このままじゃいけないってありったけの涙を交ぜてこね直したんだ
不格好な粘土みたいな僕の心はもう砕けない
グチャグチャのドロドロになるだけ
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図体ばかりでかい僕は君に何ができるだろう
この枯らっ風の風よけくらいかな
ならせめてたくさん食べよう
よく寝よう
風よけが風邪引いたんじゃ話にならないから
僕が寝込んでる間君はこの冷たい風にさらされることになるから
いつも君のそばでせめて風当たりくらいよくしてあげよう
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びしょぬれで寒さに凍える君
僕は何かしてあげたくて
やれタオルだ毛布だヒーターだと差し出すけど
反面僕は怯えてるんだ
『そんなものはいらないからあなたで私を温めて』
そこまでする気もないくせに
やれ炊きたてのご飯だとかあったかいスープだとか
最後の最後では君にまた冷たい水をかけることになるのに
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誰もが皆自分っていうロウソクの明かり一つで真っ暗な夜を歩いてる
空には無数の星が輝いててあの星の下まで歩こうと決めて
何歩歩いただろう
どれくらい進めただろう
初めに目指した星を探すと不思議なくらい同じ場所にあってまるで距離は縮まってない
もしかして自分は足踏みしてただけなのか?
それとも同じところをぐるぐる回ってただけなのか?
そんなことない
それは自分が一番知ってるはず
流した汗の数が
歩き疲れた足の痛みが
確かに進んだことを証明してる
あの星があまりに遠すぎてぱっと見じゃわからないだけ
だから心配しないで
始まりの場所から見た君の明かりは
君が目指したあの星と同じくらい輝いて見えるから
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ただ会いたいから
そのためだけにこんな距離を
こんな時間を超えて僕は行くのか
なんてロマンチズム
なんてセンチメンタル
端から聞いたら自分だって鼻で笑う
けど何かの理由にかこつけたって君は受け取らないのだから仕方がない
今の僕は素っ裸だ
あぁ車窓が室内灯を反射して僕を映し出す
不細工にほくそ笑んでる僕を映し出す
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何かを決行するときに必要なのは覚悟なんかじゃない
覚悟は最後の悪あがきだ
ほんのちょっと安心するためのもの
本当にそこに必要なのは要求でしかない