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黒烏の部屋


[2] 傷み
詩人:黒烏 [投票][得票][編集]



『お前に何が分かるんだ』


これ程
無力になる言葉はない

そう、その通り
私は貴方の何も知らないからだ

私は自分の事だってよく分からないのだ


でも貴方の傍らにいる時
私の心は貴方の苦しみに呼応した

放って置いたら
貴方が貴方でなくなってしまいそうで

怖かっただけなんだ


忍びざるの心なんて、嘘っぱちだ

人は普通は、他人の苦しみなんかに興味はないんだ



『お前に何が分かるんだ』
(何も分からないお前にもう用はない)
(だから何処かへ消えてくれ)


私は何も分からないけれども

ああ貴方

せめてその心癒えるまで

2008/12/31 (Wed)

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