詩人:#聖 | [投票][編集] |
夏の日に朧気
涙滲んだ今日に
思い出した昨日
作り笑顔の先を見抜けずに
聴こえた 囁く蝉の声
蝉が鳴く
何が真実なのか
わからずに迷う
誰かから見たら鮮明で
誰かから見たら曖昧で
夏の日に朧気
涙で滲んだ今日に
描き出した明日
作り笑顔だけは上手くなった
聴こえた 囁く蝉の声
蝉が鳴く
何を信じるのか
わからずに迷う
誰かから見たら滑稽で
誰かから見たら必死で
痛みに喘ぐ声すら
飲み込まれて 蜉蝣に 溶けた
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手の鳴るほうへ
もうさよならなんだね
月日は早いもので
やっと前を見れるなんて思ったら
もうその声は
聴けなくなってしまう
月が照らすのは
誰の孤独や淋しさだけではない
そう 教えられて
やっと 今日まで
その眼に映らなくなっても
その耳に届かなくなっても
どうか忘れないで
桜色に刹那色
ここに有った足音
ここにいたあなた
もうさよならなんだね
どうぞ手の鳴るほうへ
その心から消えそうになっても
その手がここへ
どうかここへ
桜色にあなた色
ここに有る声
ここにいる私
どうぞ手の鳴るほうへ
いつだって呼んでるから
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突きつけられた黒い刃は
切れ味を増して
ひたすらこの身を
ひたすらこの身を蝕みました
ただいま
今は笑いを誘う
刺された黒い刃は
深度と感度を増して
ひたすらこの身を
ひたすらこの身を抉り続けました
ただいま
今は空にさ迷う
血だらけの黒い刃を
嘲りながらとひたすら罵って
ひたすらあなたは
ひたすらあなたは刻み付けました
ただいま
今は無機質な声
残された黒い刃は
時間とあの人を糧に
ひたすら私に
ひたすら私に痛みを教え続けました
そして
静かにこの肉を破り
ひたすら私の
ひたすら私の生のひとつになりました
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叫んでも
叫んでも
枯れなくて
なんども
なんども
木霊する
いつになれば
あたしの中から
消えてくれる
いつになれば
あたしの中の
この痛みは
枯れない
痛みは
いつになれば
終わりが見えるんだろう
忘れそうな時に
ほら
また
苦しいんだ
胸のこのあたりが
悲しいんだ
胸のこのあたりが
泣けないんだ
ひとりでは
悲しいだけなんだ
悲しいだけなんだ
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悲しみに涙を流し
私は何を唄っていたのだろう?
この手を仰ぎ求め続けたこの生
呼吸の度に生む理由
それでは無く
全ては曖昧に刻まれて
絶望に打ちのめされ
私は一体何を求めていたのだろう?
かの喉を捕らえ奪い続けたその性
歩む道に覆う荊 荊 荊
その深く奥
そこに誰かが待つ気がして
盲目に時を捧げ
私は誰の名を呼ぶのだろう?
淋しさに涙を流し
私は何を唄うのだろう?
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望んで望んで潰れる
それもまた生きてるってことで
良い とさえ錯覚する
…本当に?
…本当に
自分だけが正しくて
異論なんて間違いだと思ってる
疑問視する声が反響
意味なんてないけど
やまないんだ
やまないんだ
何も正しくない僕だけど
生きたくて
その倍終えたくて
苦しい
もう
ずっと
眠りた
い
…本当に?
…本当に
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茶番はお終い
現実へと帰るあなた
その体温だけ
懐かしく残る
泣いている君は嫌いだ と
素っ気ない そんなところすら
映る背中に叫ぶ
欲しい
だから振り向いて
笑うから
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詭弁なんてやめて頂戴
幸せ惚けなら余所でどうぞ
ここにいたって
酸素を貪りつくして
孤独に苛まれて
終わりしか望めない
可哀相 吐けるだけ幸せ?
この手を伸ばしてみたって
いつだって届かないし
この声で呼んでみたって
いつだって聞こえていないし
その割
綺麗事は乾いた唇に
思いの他似合う
ほどほどに甘噛みで潤う
ひとりだといったら
そうじゃない
しにたいといったら
いきてくれ
つらいといったら
ごめんなさい
綺麗事並べる癖に
どうして振り向いてくれないの?
ねえ
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ほら
上を向いたって
涙
涙
涙
ためしに隠れてみたって
消えないんだ
こんなに
泣くって
辛いことだっけ
悲しいことだっけ
すっきりと
ぽっかりと
空虚が ね
逃げることすらできなくて
言うことさえもできなくて
だから
阿呆みたいな面を晒してる
それなのに ね