ホーム > 詩人の部屋 > 地獄椅子の部屋 > 黒への執着

地獄椅子の部屋


[25] 黒への執着
詩人:地獄椅子 [投票][編集]

混沌の不動心を体現する原初の色。
ネガティブとポジティブのメトロノームを激しく反復する魅惑の色。

素敵な色。


ジュラ紀から白亜紀。
欲望の眠らない生命体が、蠢く呪咀に駆られて、アウストラロピテクスの誕生の日まで超未来の野望に炎上す。

沈むような夕日を遮る黒雲を突き破り、高く舞え、忌み嫌われたヤタガラス。

テクノポリスを跋扈する、人畜無害の有罪者が咆孔す。

意味と無意味がオーバーラップし、叩き出す超絶世界新記録はギネス級。


ひび割れたビー玉宇宙の住民は、みんなスリッパ履きしている。

一青窈という字が、最初読めなかった。

思いもよらず現生掴まされたら、冷や水浴びて走り出せ。

残酷な音色のマンダリンで、祝祭しよう。


愛なんて時代錯誤の虚栄さ。
おねえさん。
今夜一晩中、タンポポ畑の見える都会のビル群で、喘ぎ声を聞かせてよ。


俺には羽がある。
君にも花がある。


間違っても俺はうんこじゃねえ。

おててのぬくもりプリーズ。

おはだのうるおいプリーズ。

プリーズ!


吐き出した言葉の原型に、脈略を探さないで欲しい。
ただそのまま。


素敵な色。
故に黒に執着する。



2006/01/12 (Thu)

前頁] [地獄椅子の部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -