詩人:A | [投票][編集] |
狂人でも
廃人でも
変人でもないけれど
私が気づいたこと
知っていますか
ちょっと空が
綺麗な血色だったからって
躍起になって
本気になって
あなたが楽しい私は、楽しい
本当に楽しい
そしてちょっと
不愉快
こんなに寒いのに
あなたは笑って
嘲笑って
でも楽しいからいい
足りない
無駄話
もう一人は
雲から見てる
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身体が冷たい
小指だけでも
繋いでいたい
目を合わせて
目で探って
願うのだろう
耳の中で廻る
ぐるぐる輪廻
既聴感
クレゾールの
アレの頭文字が
パラレルって
意味だったなんて
私は死んでも
知らなかった
あなたの居ない
私がいる部屋
そこは誰かの脳内
騒がしい声や
暖かい温度
屈託なく笑う
滝のような怒号
夏の日差しに
妬かれた私と影
経験したことは
無いはずなのに
どこからか涌く
既視感という虚言
そこはどこ
あなたのパラレル
私のイノセンス
全部モノクロ
綺麗
安定剤は要らない
中和剤が欲しい
もう行くの
まだ行かないで
ちょっと待って
もっとちゃんと
まだちゃんと
診てない
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自分に足りないものを見つけても
砂時計を止める方法を見つけても
理想と現実が紙一重だなんて
絶対に思わない
思えない
力強く握ったのは掌よりも
一本のペンだったという事実
近すぎて見えなかったなんて
自分へのタテマエ
近すぎて見たくなかった
それはイイワケ
見つめていたけれど
見えていない振りをしていた
これこそホンネ
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たとえば
誰かの詩を読んで
人の言葉を見て
あの人の声を聴いて
同じように心を動かされること
その視線に意思を感じたい
私は第七感まで
目一杯に開いて待ってやる
歌って
もっと
寝覚めの悪い私の両腕
引っ張って
起こしてくれたのあなたでしょう
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インモラルではなく、
アンモラル。
親子の縁は往々にして
懐疑的な記念日を消す。
例えば胃の中が甘い夜とか
少し寝心地の悪いマフラー
背中に残した痛みへの謝罪
踵に張り付いた嘲笑の額が
今の私を作っているのだと
そしてそれが昨日の私の証
どうして生んだのか
聞かれたって困る
そう言われたら困る
望まれたか
望まれなかったか
それは結果ではない。
大嫌いな苦いチーズみたいに
言い切れない悔しさや悲しみ
あとは醗酵して薄れて忘れて
ゆくのをただじっと待つだけ
今年も来年もその次も
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ブギーポップ
10年後の私は
今を生きることはできない
年々
軽薄になる感情や言葉を
誰かとの付き合いに置き換える
例えば
もしもし
それは別れの
始まりの合図
夢中になったものは全て
なにもかも壊して置いてきた
ブギーポップ
忘れはしない
ただ
思い出さないだけ
例えば
時間をちょっと放っておいたら
いつの間にか私の方が年上だった
あのアニメの主人公
これからは
時間が私を遠ざけていく
ブギーポップ
自分を切り刻みたい冬に
利き手で利き手を理解する
死にたい
夜明けと共に目覚める夏に
さぁ、と
沸き起こる強迫観念
生きなきゃ
言い聞かせるの、
自分が、大好きだ
ブギーポップ
今夜は眠れない
薄い唇から漏れる
か細い呼吸を辿って
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今日服を買った
くじ引き一回できた
マグカップが当たった
帰りの電車でお金を拾った
マグカップを落として割った
お金を駅員に渡した
改札を抜けたら1億人目
おめでとう、でマグカップもらった
家でのんびり眺めれば柄は諭吉
電車の中に服を忘れてきた
この上なく荒れた部屋で
体育座り
どんなに面白くて愉しくて
嬉しくて聞いてほしくて
仕方のないことも
よくよく考えれば、
他人にとっては些細で
至極ぞんざいなことで、
話し終えた途端、
つまらない音に劣化してしまう
ように思えて、
ボタンひとつ押すだけに
親指が凍ったみたい
"発信"の二文字が恨めしい
こころばかり饒舌
服もマグカップも諭吉も電話も、
そんな明け方の夢
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ミシンを買おうか悩む
迷いなく人差し指から突っ込む
その勇気が新鮮
私の憧れは
私に憧れた後輩たちが実現した
楽しいもの
見せてくれてありがとう
昔のノート引っぱり出してきて
青春色のページを
またひとつ増やすの
"久しぶり"で始まり
新しい言葉を紡いで
見たこともない世界を作って
端々を切り取る
クライマックスは
接吻で締めたい
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二人はギリギリの所で
頑張ってるつもり
状況に恋をしそうなくらい
今はすごく嘘々しいけど
将来を悲観的にみることも
楽観的にみることもしないで
当事者として生きてる
この瞬間に、よろしくって
昨日あなたにそう言った
まだ見えてますか
まだ聞こえてますか
もう繋いでますか
私はやっと
手が触れられそうな距離に立って
いつもそこで足を止めてしまう
手を引っ込めてしまう
だからたまには振り返って、
あなたから
繋いでください
5本の指ごと
たまには。
世界と、
ハロー、ハロー。
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アスピリンと土の匂い
くちびるの値段
小指と電波
ネジ
アルバイトの時間
さくらんぼシチュー
トルク
皮膚に乾いたアイロン
正六角形の美しさ
やらなきゃいけないことは
腐るほど待ってるのに
やりたいことが
何一つ見つからない
全てのモノが美しすぎて
一瞬一瞬が憂鬱すぎて
楽しみながら
腐ったのは私