詩人:ユズル | [投票][編集] |
見渡せば 整列した デスクに
難しい仮面を与えられた 人 のようなもの
チクチクしている 世界に 足がすくんだ
時間が 過ぎるのを 息を潜めて
無機質な 灰色の群れの中で 待つ
ひとりひとりは とても 暖かいこと
僕は 知っているから 余計 ばかばかしくなる
どうして 世界は こうなんだろう
僕の瞳が 濁っているだけか
どうして 心から 笑えないんだろう
君の優しさも かき消される
こんな 世界で
荒んでいる と 誰かに 哀れまれようと
荒んでいない 景色が 見当たらない
蜃気楼の向こう 綺麗な国が 隠されている気がした
越えたら そこも 汚い 埃まみれの街さ
どうして 僕は こうなんだろう
世界が 後ろ向きに 廻っているんだ
どうして 心が 冷たいんだろう
君の優しさも 切なさに変わる
こんな 世界で
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ちいさい頃から おくびょうで
はじめの一歩は 重くておもくて
群れているものたちが 恐ろしくて
黒の混ざった藍色の風が吹く今もまだ
瞼を下ろして 幼い日の 宝物を浮かべてる
こころの強さって 生まれたときから
決まっているのかなあ
時計だけが あっというまに
ぐるぐると その速さを増している
金色の雫がある日ふと 降り注ぐ
瞬きをして 涙が あの日の宝物みたいに
宝物みたいに 僕から溢れたんだ
こころの強さは 生まれたときから
決まっていたとしても
いつか出逢えるかなあ
ありふれた やさしい未来
僕だけの しあわせに
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泪が流れ出るほど ロマンティックな
この闇に わたしのからだは 溶けてしまう
心の中の光は 実は 闇ととても近い存在で
わたしは 溶けて ひとつになって
哀しいメロディーを 奏でましょう
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何も成し遂げられないわたしは
何にもなれないまま
たゆたうまま
からっぽの言葉を
歌にして君に投げつけ
わたしは満たされないまま
苦しい夜に 目は冴えていくばかり
こんなはずじゃなかった
わたしはわたしをどう見積もったのか
ばかな人間は見捨てられて
消えるのを待つしかないのか
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唄や 詩が すきで
すきですきで たまらないのは
人を すきですきだからなのかな
わからないけれど
絵も 声も わたしの胸に
優しく 届く
眩むような 金色も
枯れ果てた 大地も
誰かの 果てしない弱さも
映してきた 両の瞳から
零れ落ちた 宝石
たったひとしずくが
いとおしくて いとおしくて
しまっておきたい音色も
あまりに不器用な 優しさも
かたどってきた その唇が
綿毛を 旅立たせる
いとおしくて いとおしくて
たいせつに
たいせつにしていたい
忘れてしまわれないものは
ないんだとしても
それらは確かに
わたしを創って それは記憶から
とても美しい 蝶のように
飛び立っただけだよ
たいせつなものは
寄り添ってくれている
気付かなくても
わたしも あなたも きっとこんなふうに
感じることをやめないで
歩いて いけるね
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いつも そうだね
溜め込んで いやになって
此処に来る
憂鬱が たとえば
素敵な作品を生み出せるなら ねえ
なにかを 伝えたいんだね
まだ ぼくらは
伝えたくて 表現の海で
もがいてる
自分は ひとに 残りたくないのに
自分のうみだしたものは
残ってほしいって
変なの
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迷いながら 間違いながら
歩いていく
その姿が正しいって ラジオから聴こえる
素敵なメロディ 瞳を閉じて
けれどわたしは きっと正しくない
間違うのが 怖くて
間違わないために いつも迷っている
間違わないように
間違った姿を 人に見られないように
恥ずかしいところを 晒さないように
一歩いっぽが 怖くてこわくて
歩かないことを 選択するんだ
プライドがじゃまをして
私の足を絡め取る
迷いながら 間違いながら
歩いていける強さを
夢見てる
今
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なぜ 透明なんだろう
錆と泥だらけで 詰まっていたもの
汚いマーブル ぐちゃぐちゃなもの
溶け出して 頬をすべるものは
なぜ 綺麗なんだろう
朱い こころの真ん中の
柔らかな 傷に 風が沁みる
背中を向けた 鉛色の自分が
真正面から 見つめてくる
なぜ 透明なんだろう
わたしはいっそ それになりたい
複雑なあやとりも 忙しないステップも
そのひと粒に なれるなら
流れ出したなら 綺麗になれるなら
あぁ
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枕元に散らばった 夢の破片を
ひろいあつめながら 今日も 君は扉開く
それはとても重たい扉 日によって重さは違う
めくるめく日常のリズム
楽しいと 楽しくない
やりたいと やりたくない
その比率はなかなか変わってくれない
君の指先が ステッキで 本当は魔法使い
なのに 閉じ込められて 光れない
閉じ込めて 鍵かけたのは
やっぱり君の指先なんだろう
めぐりめぐる日常の呼吸
触れたいと 触れたくない
生きたいと 生きたくない
その比率は自分でもよくわからない
集まった蝶は 君の光に 導かれて
驚く君は なによりも正しくて
誰よりも君にとって 醜く 尊い
君の指先は 描いてる
いつも 今までも これからも
君の指先が 描く世界
朝と 夜の 比率は変わらない
君の指先だけで それらを塗り替えて 続く
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宝物は 失くしたくない
ふえていくもの 怖くなるほど
けれど
宝箱の 大きさは
決まっていて 変わらないから
だきしめられるのは
いつもほんのすこし