詩人:ユズル | [投票][編集] |
つまさきだちの足が
朱くそまって 痛い
届かないのに 無理をして
髪の毛は 乱れてしまう
密かに覗きこむ 長い穴から
そのやわらかな 手を見ている
僕に 触れてくれたなら
嬉しくて 空も飛べるのに
光の雨が降る 眩しい夢を見る
君に 響きたい いつか
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わたしの王子さまは
こんな不自然な世界で
とても自然で
けれど世界にちょうどよく染まり
ふわりと軽く 重みを持って
そして優しい
いやしいわたしの魂は
触れたくて 切なくて
おとなになれない心のまま
あなたに惹かれていく
うまく伝えられず
何も 捧げられないのに
ごめんね 甘えてしまう いつも
こわくなって 遠ざかる
ばくはつしそうで 近づく
不器用に 距離をつなぐ
王子さまに愛されるには
どうしたらいいんだろう
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空が青く とても綺麗で
長い間 空を見ていなかったことに
僕たちは 気付いた
熱が触れた
うまくめぐらない言の葉
それでも 触れた
ぐらぐら橋を ぎりぎりで渡り
少しだけ ごほうびの景色
まだ 完全ではないけれど
ゆらりゆらめく炎
僕の名前
散りばめられたきらめき
支えるてのひら
君の謎
深くなっていく瞳
僕たちの日々
たまに 美しい空を 見るために
ふらふら 前を見て 僕は歩こう
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あの頃は できていたのにな
小さな幸せさがし
今じゃ そんなひまもなく
追いつかない心で
やらなきゃいけないことに
追われる日々で
生活に支障をきたすほど
自信ってやつがない
頑張りたいから悩むのね
暖かな色の午後は
しばらくはさよならで
色にまみれて
擦り切れるまで
駆けてみるつもり
大丈夫 まだまだ 大丈夫
君も いるからね
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あああ うまくいかないなあ
夢を見てる みたいな
気持ちで いたいのに
つらい つらいけど 言えない
みんなそう 誰かのせいに
したいけど それもつらい
やさしい 人に やさしくしてもらえる
そんな人に なりたい
やさしい 人を かなしませる
わたしが いるから つらい
がんばろう ね
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からっぽになって
空に 浮かびたい
ただ明るいだけの光も
青く愛しい時間も
優しい夢も
終わってしまった 僕だから
とまっている 時計と
薄れていく 未来
詩人:ユズル | [投票][編集] |
暖かい風が吹いてきたら
季節が変わるって
気付いてしまう
生温い光に 影が襲う
でもその影が
本当なら素敵な光
避けるのはもうおしまい
今ならそんな気分
ほんのささいなきっかけ
それを掴むか掴まないか
それがすべてだ
綺麗事だとか思っていた言葉の
本当の意味を今になって知った
まだまだ終わっていなかった
この新しい風に慣れてしまう前に
気付かないほど小さな芽を
どうにか育てよう
すぐにしおれてしまわぬよう
育てようともがこう
詩人:ユズル | [投票][編集] |
できそこない という名前を
わざわざ 背負う
そして いつのまにか
できそこない に なっていた
「手遅れ です」
あれ もう ほんとうに?
そうなる前に 警告はあった?
気付けない 鈍感さ いつから?
ああ 空が綺麗で 今日も
雲も 太陽も 雨も 変わらず
考えたって いみがない けど
流されたって いみがない
夢をうばう 悪の団体
何もかも決められた 世界
自由のない 進まない 世界
小説や 演劇 ゲームのなかの 敵
主人公たちを 応援しながら
すこしでも 敵の世界に
憧れたことは ない?
詩人:ユズル | [投票][編集] |
少し小さめで 古ぼけて
心をくすぐる 可愛い扉
向こう側は ファンタジーの世界
だったらいいなあ
なんて
楽しい 妄想
等身大で 冷たくて
ただ重たいだけの
現実の扉は キライなので
夢を見せてほしい
でも もうそれもやめて
本当は
夢を描いていかなきゃね
現実の扉の向こうには
希望ってやつがかならずあるみたい
それが不幸のもとなのか
パンドラの箱がどうとか
知らないけど
わたしの行く扉が
可愛くなくても
そそられなくても
その無機質な扉を
勢いで蹴破るくらいの輝き
わたしだって
はなってみたいのよ