詩人:ユズル | [投票][編集] |
もやもやとした渦が
くすんだ瓶の中を占めていて
でもとりあえずそれを置いておく
そんな方法しかとれないでいる
あまりに弱い光は消えない
きっと世界のごみみたいなもの
わからないのではなくいらないの
夢も明日も 今日でさえも
刹那主義の果て
想いを見失う
終えた時間や記憶から
すべて消えていけばいいのに
消えていけばいいのに
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まるで押しつけるみたいに
音を立てて流れてくる
歪んだ時間に触れるとき
糸はぎりぎりまで張り詰める
少しの風に影を落とされ
おかしなリズムを刻む鼓動
誰にも聞こえない声をあげて
瞼を閉じることしか知らない
愚かなもの
どれだけ蔑めば
消えてくれるのだろう
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心躍ることなんて そうそうない
人もまばら 電車の暖かさ
目的の駅が 来なければいいのにな
片方の音は 聞こえない
壊れたイヤホンから流れる
控えめな音 真ん中
瞼を閉じた ここにいたいな
何も 生み出さない
変わりながら 変わらない
そんな人間です なんて
開き直ってみたりして
たとえば 君に届ける言葉を
わたしは 知らない
君と一緒に 道に迷いたい のに
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心配しなくたって大丈夫
月には不思議な力がある
光を受けて自由になるよ
そう言って魔法みたいに
去っていったあなたは
まるで気ままな黒猫のよう
でもあなたは決して
気ままな黒猫じゃないから
わたしはあなたが心配で
きっと黒い夜にひとり
取り残されている
月だって消えてしまう
あんなに細くなってしまった
あなたの魔法は弱くて
最初からはかなくて
優しくてすぐに傷つく
だからわたしは闇を進み
愛しいあなたに追いつくよ
それそろ触れてもいいかしら
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みすぼらしい布をまとう
わたしは 蝶の真似
明日というものを
あまり楽しみにしていない
夜とか 境目とか
羽を広げ 飛び越えたい
薄い幕に守られた部屋
氷の上をすべる音が
きらきらと降り注いで
風みたいな回転が
透明に見える壁の向こう
まぼろしみたいだ
夢を見ることと
夢を追うことは
こんなにも違うもので
光とか闇とか人とか
もうどうでもいいんでしょ
それも嘘ってわかりながら
長い夜がほら 朝を呼ぶよ
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世界は広いけれど
わたしの世界は狭い
何にも重ならず
ぼんやりここにある
夕焼けの綺麗な
さみしい場所です
花の声を聞いたら
幻滅してしまいそう
言葉の生き物だから
いつも空を見上げ
雑草に身を隠し
密かな歌をうたいます
境界線がくたびれて
いつでも軋んでいる
尖った爪でひっかくより
いっそむりやり壊してほしい
風穴があいたら
きっと引き寄せられる
朝焼けの綺麗な世界に
それは強い引力で
やっと世界は輝くでしょう
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疲れて 微笑んでる 街
漂いながら 気にしないふり
夢という 中毒に溺れている
足音が たくさん 響いて
無気力な声 マタアシタ
そんな空気と 馴れ合い 振り向く
鏡に触れた キミが映る
ボクはただ 泣きたくなる
ガラスの粒が 傷つけていく
温度のある キミの気持ち
虹色の風を まとって
キミを 守りにいけたら
ボクはただ 泣きながら 夢を見る
ガラスの粒を まとっている
芯を失った ボクの気持ち
触れるだけで じわじわとにじむ
傷は綺麗な 優しさに変わり
すべて やわらかに 溶けて
花を咲かせる 水になれたら
ボクの記憶と ひきかえに
キミを守るものに なれたら
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なんとかは ならないかもしれないけど
なるようには なるよ
それじゃ意味ない なんてことない
時間が流れて なるようになることが
どれだけ 大きなことか
死なないかぎり すべて変化していく
それが どれだけ 尊いことか
日々は
なんて むずかしいんだろう
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暗い 暗くて嫌いな 形のない何か
それさえ 世界を動かすキーになるらしい
満ち足りない想いが 空気に触れる
なぜかそれで 満たされる人がいるらしい
人生が交わる この広い世界は ドラマだ
本当に よくできいてる脚本
いくつもの伏線が 突然どこかで繋がって
怒りが喜びを 喜びが悲しみを呼び覚まし
乱れ 乱れたのちに 綺麗に揃う
けれど誰がそれを 楽しめるんだろう
終わりのない 永遠に続く 群像劇
きっと淋しがり屋が 創りあげた世界だ
ひとりぼっちで 愛しいドラマを眺めてる
そいつのそばに 行ってみたいけど
まだドラマの中で 見極めようとしてる
自由な頭のなか とりとめのない想像
それさえ 世界を動かすキーになるらしい