詩人:ユズル | [投票][編集] |
からっぽで でも長い時間
積み重ねてきたものは
そんなにカンタンに 変えられはしないよ
だってもう 錆び付いてるんだ
優しさに触れるたび
心が暖かい涙を流すたび
矛盾がぼくを蝕んでいく
人格が 人生が
きみのそれと 交わるたび
ぎしぎしと軋む
まるで 許されないことみたい
きしきしと痛む
ぼくが 耐えられないくらい
嘘つきだから 嘘をつくよ
きみに千の嘘の花束を
これが ぼくの精一杯
最後の優しさだから
何も聞かずに 受け取ってよ
さようなら 夢の夢
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ゆるい風が吹いている
心をそっと 隠したまま
彼は 切ない指先で
白い花に 触れようとしていた
悲しみが 二人を襲うから
同じ瞳をしているのに
伏せたまま 交わらない
澄んだ水が 降り注ぐ
光を映して ただ綺麗なだけ
こんな世界の 真ん中で
気付けば ひとりになるのだろう
嫌です そんなの 嫌です
もっと そばにいます
君の 指先を 包みます
しあわせは そんなに
難しいことじゃ ないから
二人で 向かいましょう
消えたりしないで
願うだけならば 許される
胸の内で 軋む音
静かな 悲しみのなかで
臆病な 二人の間で
いっそのこと 願いも 軋みも
晒して しまおうか
晒して しまおうか
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真っ暗闇が 青く光る
ヒールの音が さまよっている
こんな深い夜には
ガラスの国で
出会う そして 踊る
手をつないで
朝は 別れの色
覚めないうちに
踊る そして 泣く
手をはなさないで
「おいていかないで」
そう思ったところで
消えてしまう 音も無く
夢でしか会えないのなら
閉じ込めてくれて いいのに
夜にしか会えないから
いつでも つらくはかない
真っ暗闇が 青く光る
今日もまた 誘われる
「終わりにしなきゃ」
ねえ
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想いがこぼれた
星みたいに綺麗だった
意地っ張りで 頑なで
だけど瞳が揺れているから
ああ はるか 果てまで
一緒にいられたらいいのにね
夢物語 静かに手をつないで
いつからこんなに 素直になったの
だって 世界が終わるなら
必ず あなたの隣にいたい
ねえ はるか 果てまで
一緒にいられないのなら
夢物語 静かに手をつないで
いつからこんなに 切なくなったの
だって 世界は終わればいい
必ず あなたの隣にいるよ
あなたと見る 世界の終わりは
なによりもきっと 美しいよ
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伝わった
しんとした空気を震わせて
君の瞳から、指先から、唇から
じわじわゆっくり
ささやかな願いと
君の痛み
いまだに
じんじんしている
胸が震えて、眠れない
愛おしい夜だった
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なんだかね
中身がからっぽの
そんな物語を歩んできた私は
何を言っても薄っぺらくて
ときどき空しいね
言葉が力を 秘めるには
それなりのものがやっぱり必要で
でも長年 固まってる時計は
動き出すのが つらそうだ
言葉に羽が生えて
優しいけど 重みを持って
誰かの空を 飛ぶ
世界を ふるわせる
いつかはそんなふうな
詩を書きたいな
今からでも 大丈夫だよね
深く 深くなりたい
夢見るだけじゃなくて
今 本当に動き出すから
そして いつか特別な 言葉を捧げよう
詩人:ユズル | [投票][編集] |
鏡の中の世界に
君が 知らぬ間に行ってしまっても
いつもどおりに笑うなら
私は 気付かなかったかもしれない
母のお腹の中のような
羽のような優しさに
気付かないうちに守られていた
そしてそれに慣れきっていた
私 最低だよ
今までごめんね
今 震える声と指先が
澄んだ蒼い空気を 飛んで
愛とか未来とか
嫌いだった言葉さえ 天使の翼になるよ
一番綺麗な水を 風を 君に
世界は今 初めてゆらめいて
ひらけていく 光が舞う
私は 君と 生きるよ
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いつも怯えている
子猫ならかわいいけれど
大のおとなじゃねえ
だって 世の中は理不尽で
人と接するだけで
心を 消費する
そこらじゅう誤解ばかり 空回り
うまく言葉がまわらない
ちがうのに そんな冷たい瞳をしないで
街にみんなの 涙がいりまじる
傷つくのは どうして?
擦り減る心 もう寝なきゃ
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夢という響きが
歌うように語りかけるので
優しいイメージを枕元に
たゆたう心をそのままに
現実のなかにまぜこぜ
ファンタジーのかけらを
拾い集めながら
あたたかい綺麗な嘘を
見守りながら
空と風と花とあそぶとき
夜をまとい星は光る
甘美なこのメロディが
ただの逃避や綺麗事だと思う?
時間の無駄でしかないと思う?
それならばこの詩も
小さな小さな言の葉も
そういう類のものでしょう
そういう類のものはけれど
生きるというなかで
いつも傍に浮かんでいて
その夢で眠るわたしは
愛しい物語をつむぐのです
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誰の視線もない夜
優しいカーテンが 隠してくれているから
暗い光の美しさ 中心で
歌って 眠りにいざなって
薄汚れた路地も
うるさいだけの音も
なにもかも忘れて 今だけは忘れて
希望の光が満ちた通りを
飛べる心の人々を
その瞳に描いて 今だけは描いて
とろける歌で 眠りましょう
夜が明けるまで たゆたいましょう
朝日が再び 汚い心を照らしても
それを待つから なお
歌って 優しい眠りを
優しい眠りを