詩人:ユズル | [投票][編集] |
狂気的な終わりへ
挑発するような精一杯の笑みで
夜にまぎれ誘おうとするけど
負けることはわかってる
ぬくもりに勝てない
見透かされて繰り返して
腐ったトマトみたいだね
せつなくて胸が張り裂けそう
そんな甘さを君はどうしてくれる?
抱き込まなくていいよ
かぷりと食べてくれたらいいな
ただ君の胃袋におちていきたい
泣いてなんかいないから
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のうみそ からっぽみたいな顔して
深い海の底まで 小さな泡まで
実はぜんぶを 考えているようで
やっぱり からっぽみたいで
あーあ 疲れるから
頑張りたくない
あーあ 疲れるから
口も閉ざしたい
だって つらくてめんどうなこと
いろいろ乗り越えてまで
やりたいことなんて ない
モチベーションが わかない
なんて横文字で かっこつけたって
ださいだけの 甘えと知る甘え
ビルの森に 飲み込まれそうで
ぐずついた 天気が似合う
からっぽで 考え込む
真夏に 雪が降ればいいのに
そんなかたちの救いばかり
求めながら からっぽで
考え込む 祈る また
からっぽで
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騒々しい音が去った
人の多い電車のホーム
じりじり焦がす夕陽が
朱くて 朱くて
顔を照らして
みんな みんな
想いを馳せてる
そんなセンチメンタルな
一瞬だけのつながり
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光のカーテンで 見えない世界
魔法のレンズを覗いても
意味のない時間は ゆめの花も咲かせない
だから ちぎり捨てていくわ
鏡の中 揺らぐ景色 小さな声も
塗り替えたら ときめきたちが輝くの
きっと 知らなくていい
私だけにわかる合図で
走り出したら 星をつかまえるよ
何もしないでただそこで待っていてほしい
信じたままの 青い力を受け止めていて
今 遠いだけだった物語
この手で奪っていくわ
だから そこで待っていてほしい
信じたままの 初めての光を受け止めていて
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夢とかそんなものより
えげつけない世界だ
ぐっちゃぐちゃになった
黒い文字が降りそそぐ
君を守ってあげたいけれど
どうしたって届かない
でもね少し嬉しいんだよ
こんなもの味わって
もう戻れないかもしれない
もとより戻る場所なんてない
ああ 絶望は安心だ
とてもしあわせだよ
君の涙も
散らばったことばも
とまった時間も
絶望的だね
しあわせだね
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夕暮れ 自転車 じわじわ迫る夜
想像だけのパレットで 彩る
雨みたいに 降ってた
しずくを 逃してた
「あきらめない」って
悲しみだけで 歩くのも
いいかな なんてね
僕がかろうじて 奥底から
ひっこぬいた 勇気は
ちゃちな ピンクのリボンで
パッケージされてしまった
茜色は 真っ暗に 侵されて
うすい影は 紛れて
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青い空の下に出たら
夏の匂いがした
秘密を抱いた
風が吹きぬけた
君があの日
いなくなってしまったのは
消えるしかなかったのは
たいそうな理由なんかなくて
さみしかった
ただ それだけ
青い空の下に出たら
夏の匂いがした
秘密を抱いた
風が吹きぬけた
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身動きのとれない夜に怯え
枯れた花束はばらばらになる
くだけちることは叶わないのに
君の声は膜をかぶったみたいで
いまだなにも切り裂けない
階段を駆け上がる君の足音は
私の眠りをさまたげるばかりで
私はね
ふと流れるたまの優しさを
壊れないようにつまみ出して
透明の箱に閉じ込めて
ずっと大切に置いておきたいの
君は望まないだろうけど
君は許さないだろうけど
夜になれば眺めていて
眺めていたら夜が過ぎて
そんな夜を繰り返すの
君は望まないだろうけど
君は許さないだろうけど
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現実から飛び出したくて
描いてた馬鹿みたいな世界
戻りたくなかった
蔑まれても気にはならなくて
連れていってよ列車
綺麗すぎて不自然な空想世界
星の道を 走る
降り出したのは
つきささるような 苦い雨
幻は地面に落ちて
あっけなく 消え去った
悲しくてうらんだよ
雨を降らした だいきらいな君
心地良いものだけを探して
風に乗ってきたのに
ただ優しさに夢見てた
あのころは帰れない時間
目の前はこわいものばかり
巡り会うたびきりきりと痛む
もう君しかいない
だいきらないな君しかいない
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なめらかにするすると
空をすべっていく曖昧な
想いは優しい色をして
きらきらと光りながら
透き通る水の音を聴きながら
あなたを包んでしまおう
まぶしくてたまらない
その瞳を覆うてのひらは
いつでも綺麗にしておくから
香りすらないまっさらな
できる限りの清さを
あなたを傷つけるものなんて
ひとつだってない